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甘い生活を目指しています。

「竜馬がゆく」読了

ついに司馬遼太郎作「竜馬がゆく」を読了 !
ハードカバーで5冊、文庫版で8冊分は流石に読み応えがありました。しかし、どんどん読めてしまって、そんなに何冊も読んだという感じでもないのです。
 
ストーリーがとにかく面白い。竜馬をはじめ、登場人物が魅力的。そして、作者の司馬遼太郎さんの筆力が素晴らしいとしかいいようがありません。今回、初司馬遼だったのですが、とにかく読みやすいし面白い。スイスイどんどんずんずん読み進めてしまうのです。
 
以前、すでにずいぶん前に「竜馬がゆく」を読んでいた友人が、「読んでいる間中、日常生活を送っていても、常に頭の中で竜馬が歩いている感じがしていた」と言っていたのですが、なるほど、実際に読んでみるとその感じはよく判ります。
 
あの時代、日本国中どこへ行くにも基本は徒歩。それ以外の移動方法は馬か駕籠に乗るくらいです。それと船。竜馬は土佐出身なので、初めて江戸に留学する際も船で本州に渡っています。大阪・京都と船での交通が盛んなようで、寺田屋は船宿。勝手に竜馬の子分になる盗賊の寝待ノ藤兵衛とも渡し舟の中で出会っている。物語の後半は神戸の海軍操練所を初め、日本初の株式会社・海援隊も船を操る集団だし、薩摩・長州と移動は船を使っています。日本って島国だったんでしたね。それでも、とにかく良く歩いている。その健脚ぶりが印象に残ります。それは竜馬だけでなく、のちに陸援隊の隊長となる倒幕の志士、中岡慎太郎もとにかく歩き回っている。インターネットなんてない時代ですからね。いろいろなことが不便で人がその分動かないと何も成せない時代。体が資本だったんでしょうね。
 
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それにしても倒幕の志士も幕府方の志士も、若死にです。竜馬が33才、中岡が30才だったか、とにかく若い。でも彼らはその短い生涯で、その時代に必要なことをきっちりとやり遂げて亡くなったという気がします。「新政府が出来たら、自分は表から身を引く。これが最後の仕事になる」というようなことを、大政奉還を画策中の竜馬が口にするシーンは暗示的です。竜馬としては大政奉還がなされ、新政府ができれば、自分は「世界の海援隊でもやるぜよ」というところなのですが、まるで日本史の神様がいて、幕末の動乱期に竜馬という天才をぽっと与えて、仕事が終わったので天に戻したという感じです。つくづく人は、何かに生かされているのかもしれません。
 
今年は、私としては竜馬の年になりました。本当に楽しませてくれたので、ドラマにもこの小説にも感謝です。そして、竜馬が流行った翌年は景気が回復するという統計があるそうなので、来年に期待も持てそうです。本当に面白い小説なので、この厳しいご時世を生きる全ての方に一読をお勧めいたします。
 
 
♪写真は図書館の狭い庭を走る子供の像。子供?  神様?  子鬼?
  師走どころか一年中走り回っています。しかも裸で・・・
  夏は良いけど、冬は寒そう。