「何を話しましょうかね。『四谷怪談』でも、あまり知られて無いのにしましょうか。有名なのだと比べられちゃうからね」と語りだしたのは、なんと先日浅草で聞いたばかりの「お岩誕生」でした。
貞水師匠が言うには、「寄席でやってる怪談というのは怖くないんですよ。怖いとこっちがやだからね。本当に怖かったら、誰も聞きに来ないでしょ」とのことですが、いやぁ~、怖かったです。
貞水師匠の怪談は舞台装置があったり効果音があったり照明の加減があったりと、演出がバッチリ。しかも、語り手の師匠が上手い。師匠の語りだけ
でも十分怖いんです。なんでだろう、声ですかね ? 語り口ですかね ?
ここぞっ !! ってところがとにかく怖い。ゾッとするんです。先日、聞いているのであらすじは分かっているのに、来るゾ来るゾ、というところがホントに怖い。
講談というよりは一人芝居というか演劇みたいです。暗い中、剃髪の師匠の顔だけくっきりと浮かび上がる様なライティングも効果的です。良いものを見せていただいた、という感じです。
先日と本日と「お岩誕生」を聞いて、見て、同じお話でも語り手、演者によってまったく違った感触のお話になるなとつくづく感じました。そして、「四谷怪談」を通しで読みたいな、という気になりました。大好きな京極
実は、9月にも師匠の立体怪談を見に行くので、そちらも楽しみです。
あぁ、怪談って、なんて奥が深いんだろう。ホント、楽しい。
落語会のポスター。反射してしまってかえって怖い写真に。
本日の演目。