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一龍斎貞水の立体怪談「真景 累ヶ淵」で涼む

本日は、講談の一龍斎貞水師匠の立体怪談を見るべく文京シビックセンターへ行きました。
 
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前座として、お弟子さんの一龍斎貞友さんの講談があったのですが、本日初公開という創作講談で、クラシックの四重奏楽団との共演でした。
 
中入りがありまして、いよいよお待ちかねの立体怪談です。今年、貞水師匠の怪談は先月の新文芸座落語会に続いて2度目。今回は前回と演目が違うのか、セットももっと大掛かりでした。いったい何をやるのだろう・・・と思っていたら、「真景 累ヶ淵」でした。
 
このお話はすごく長くて、落語ではシーンごとに分けて語られるようなのです。今年、たまたま落語の方で、先月、桂 歌丸師匠の「語りなおして 真景 累ヶ淵」を見に行き、その時に復習したので、予備知識とあらすじに関してはばっちりです。長いお話に関しては、知っていると知らないとでは全く違うので、予習して行くことをお勧めいたします。
 
今回は、この物語の発端の「宗悦殺し」から始まって、「豊志賀の死」までを演じました。貞水師匠が言うところ、「宗悦殺し」の辺りは前ふりだとかで、ここを分かっておかないとその後に語られる「豊志賀の死」が分からないから、とのこと。この長いお話の中で、「宗悦殺し」と「豊志賀の死」は傑作と言われているパートらしいです。つまり一番いいところを本日やったわけですね。
 
怪談なので、最初から総体的に会場全体が暗いのですが、一番怖いあたりになると一段とライトを落として真っ暗の中、舞台では行灯の灯りがほの暗く燈り、師匠の顔は青かったり緑だったりしつつ顔だけ浮き出ているわ、セットの障子に豊志賀の姿が映ったりと、演出もこれでもかこれでもかと、講談を聞きに行っているというよりは舞台を見に行っているという趣です。
 
それにしても、講談にしろ落語にしろすごいのは、たった一人の話芸なのに言わばナレーターの部分と登場人物全部を演じ分けるわけで、これは本当にすごい芸です。今回の立体怪談も色々な仕掛けがあって楽しませてくれて面白かったです。そして何より貞水師匠の話術に聞き入ってしまいました。
 
「真景 累ヶ淵」は落語もよかったし講談もよかったです。歌舞伎もあるので、機会があれば歌舞伎のも見てみたいと思います。
 
 
今年の夏はあまりに暑く、怖い思いをして涼もうと勝手に企画して一人で盛り上がってきましたが、カレンダーももう9月。夏と秋が勢力争いをする頃になり、立体怪談という本命を見て、この一人で勝手に企画を終了いたします。今年は沢山の怪談に触れて、涼しい思いはしないまでも楽しい夏でした。