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伊藤 守 著 「もしもウサギにコーチがいたら」 コーチングを分かりやすく

伊藤 守 著「もしもウサギにコーチがいたら 『視点』を変える53の方法」という本を読みました。伊藤 守さんはコーチングで有名な方ですよね。
 
この本は、亀との競争に負けて、怠け者だの愚かだのと揶揄されるようになったウサギが自信を取り戻して前向きに進んでいけるようにコーチするとしたら、どのようにコーチをするか、という本です。コーチングとはどういうものかが、読んでいくと判るようになっています。部下を持つ人にも、また今上手く行っていなくて悩んでいる人にも役に立つ一冊です。
 
ええと、私もうさぎとしてはですね、イソップにゴシップを流されてへこんでいるうさぎを擁護したい気分であると共に、もし私にコーチがいたらどういう風に手伝ってくれるのかな、と思いながら読みました。
 
今、問題を抱えて、自信をなくしているうさぎの一人である私としては、随分気持ちを前向きにしてくれる方法があるものだなと思いました。例えば、苦手な事を克服させるのが良いと思われ勝ちだが、好きな事や得意な事を延ばす方が全体としては成果が上がる、とか、人は人の理屈でしか動かないので、正論を言ったからと言って相手を動かす事は出来ないとか。何もしないでぼーっとしている時間も必要とか、コミュニケーションの主導権は話し手ではなく聞き手にある、とか。
 
なにより、「何か足りないから教えるんじゃない。ウサギはいつでも完成している」という章は印象的でした。著者が言うには、
 
一年生は一年生で完成された人間だし、二年生は二年生で完成された人間です。
より文化や社会に適応していくために知識を身につけていきはしますが、人間としてはすでに十分、完成しているんです。
 
教育する側が、最初から「この人たちは何か足りない、完全ではない」というスタンスで教えていくのと、「この人たちは完全なんだ、素晴らしいんだ」というスタンスで教えていくのとでは、起こってくる結果が違うはずです。それは自分とのつきあい方でも同じことが言えます。
「自分は完全ではない、自分にはあまり存在価値がない」というスタンスで自分とつきあっていくのと、「自分は完全だ、素晴らしい存在だ」というスタンスでつきあっていくのとでは、全然違います。
 
とのことです。なるほど。世間が、とか、職場で、とか、まるで人間ではないような扱いをされていると、どんどん自分の価値が失われていくような気がしてきますよね。そんな時でも、自分だけは自分を信じて、自分の味方で有り続けていれば、どうにかやっていけそうですよね。
 
この本の53番目の方法は「ウサギ君、君の物語を話してください」というものです。自身の物語を語るというのは、これからの未来を作るのにパワフルな方法のようです。
 
すごく読みやすくてあっという間に読めてしまうのですが、中々ためになりました。誰にでも、未来を変える力はあるわけで、どんどん自分の物語を語って、満足のいく未来を作りたいものです。世の中の組織の上に立つ方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。どれだけ出来の悪い不勉強な上司が、会社の足を引っ張っているか、お勉強してもらいたいものです。