ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

飽食、でも幸せか ?

現在、私は仕事であるガイドブックを作成しています。その中で、宿泊施設の紹介があり、供されるお料理の紹介があるのですが、日本ってすごいですね。
 
とにかく、食材が豊富。どの宿泊施設も、料理には力を入れているらしく、その地方の一押しの食材を前面に出してきます。その結果、ある日はカニの写真ばかり眺め、翌日はずっと牛肉ばかり眺めています。そして、ずっと同じ食材ばかり眺めていると、気持ち悪くなってくるといいますか、見ているだけで満腹といいますか、ぐったりしてきます。
 
どの宿も、ものすごいお料理です。豪華です。日本中、食材の宝庫です。でも、島国で山国なので、大抵は海の幸か山の幸なわけで、海の場合は魚介類、鮪をはじめとするお刺身関係、蟹、鮑、海老などなど・・・。山になると、牛肉があらゆる地方に名産としてありまして、ステーキだのしゃぶしゃぶだので紹介されます。
 
なんだかな・・・。日本って、飽食状態なんでしょうか ? その写真を見ていると、こんなに沢山食べられません、と言うくらいのコースだったり会席だったりするのです。私、一番質素なスタンダードのコースでいいな、と毎回思います。
 
ずっとそんな豪華なお料理を見ていて、今回一番ぐっと来たのが、ある山のロッジで、地元のお母さんたちが作る田舎料理というのがありました。すごく地味です。でも、山菜が使われていたり、その地方の地元で食べられている料理が食べられるので、むしろこういう物の方が私は嬉しいなと思います。
 
豪華な海鮮やブランド牛は、今やお取り寄せできます。でも、中々、その土地の人たちが普通に食べている郷土色は食べる機会がありませんし、作っているのも地元のお母さんたちというのが、ほっこり暖かい気持ちにしてくれます。
 
沢山ある宿泊施設を紹介していますが、私が一番行ってみたいのは、地味で質素な、その山のロッジです。
 
今の日本って、やはりお金持ちの国なのでしょうか。相変わらず、よく他の国の人からは、日本はお金持ちと言われます。私たちは、いつの間にか普通であることのレベルを上げてしまったようです。無いことばかり、目だってしまう、気になってしまう国になってしまったようです。ほんの60年くらい前は、無いことが当たり前の国だったのだろうと想像します。でも、無いからこそ、大切にしていることが色々あったはずです。それは、人と人とのつながりとか、物を大切にする気持ちとか、滅多に食べられないからご馳走であるとか。今の時代、ものすごいご馳走を食べても、「普通に美味しい」とか言ってしまうわけで、食べ物でも物でも、感動が少なくなっているように思います。物質的に豊かになったものの、感動する気持ちが小さくなっているとしたら、人間としての幸福感も小さくかってしまっているのかもしれません。それは、なんだか複雑な気分にさせます。
 
幸福を感じる、と言うのは本当は簡単なことのはずです。でも、今の時代、幸福を感じるのはある種の技術が必要とされるのかもしれません。