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退屈だった「モネ 風景をみる眼」

12月7日(土) 、ぽかりと時間が空いたので絵が見たくて、とりあえず上野に行って見ました。そして国立西洋美術館でやっている「モネ、風景をみる眼」にフラリと吸い込まれていきました。

奇しくも、この日はこの企画展の初日であったことに、帰宅後気づきました。

今回、まったく知識も情報も無く、突然行って見たわけです。モネなんだし、まあ間違いは無いだろう・・・ということで。

えぇと、非常に言いづらいのですが、ものすごくがっかりした展覧会でした。あとでよくプログラムを見たら、国立西洋美術館とポーラ美術館のコレクションの中から、モネの静物画35点を集めました、というもので、モネと同時代の画家のものも一緒に展示するという展示会でした。

ポーラ美術館では、すでに展示が終わり、国立西洋美術館へ巡回してきたということらしいです。

なにが私をがっかりさせたかと言うとですね、驚きや発見がまったく無い展示会だからです。年に何回も国立西洋美術館には行くのですが、時間があれば必ず常設展も覗きます。今回、国立西洋美術館分として展示されている作品群は、常設展で常に見ていた作品群です。あぁ、あれね、とつくづくよく知っている作品群なのです。悪くはないんですよ、でも、目新しくない。だったら、次の会期に常設展で見ればよいのでは、と思うわけです。新鮮味がまったくありません。

そう言いつつも、今回、驚いたのは、ポーラ美術館のコレクションの方です。いや~、驚きました。持ってますね~、ポーラ美術館。地方の小さい美術館だと思っていたのですが、こんなにモネのコレクションもあったとは ! この夏、「レオナード・フジタ展」にも全面協力でポーラ美術館のフジタの作品群をまとめて文化村で見ましたが、その時も、この美術館は地方の美術館ではあるが、一度きちんと足を運びたいものだと思ったものでした。そして、今回も。

先に沢山不満を述べましたが、展示されている作品としては、「モネです ! 」と言っている様な、非常に分かりやすい作品たちです。モネは「積みわら」の絵が5枚あるらしいのですが、今回も「ジヴェルニーの積みわら」の絵が1点出ていて、いい感じです。モネらしいほっこりとした温かい感じの積みわらです。もっとピンクっぽい積みわらを他で見たことがあるのですが、それもよいのですよ。というか、私は何故か積みわらの絵が好きです。せっかくなのでミレーの積みわらと並べてもらいたかったです。 ( 贅沢を言います ) 

モネといえば睡蓮、睡蓮といえばモネ、というほど、睡蓮はモネのシンボルとなっている作品群だと思います。もちろん、今回も睡蓮は何枚も出ているのですが、どうせですから空間の周りをぐるっと睡蓮の絵だけで囲ってくれても良かったのでは、と思います。せっかくの展示ですから、ちょっとした演出も欲しいものです。睡蓮が池に浮かんでいる様子は、かなり太い筆でペタペタと描かれているのに、本当に水に揺らめく睡蓮に見えるのが素晴らしいです。時刻によって、同じ池でも光の加減が変わって、水のきらめきやゆらぎまで違って見えてきます。水面に浮く睡蓮の表情もまた、違った貌を見せます。やはり、モネの描く睡蓮は美しく、うっとりさせてくれます。

モネの風景画というのは、それ以前の時代の風景画とはまったく違っています。印象派とはよく言ったものだと感心するくらい、風景を描くタッチが、まったく違っています。それでも、不思議と、見ているこちらにもその時画家が見ていたであろう風景が見えてくるのが不思議です。
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さて、1時間もかからず約100点を見終わってしまいました。今回の展覧会は私としてはあまりすっきりとしなかったのですが、モネが悪いわけではありません。展覧会を開催する立場の人々の問題かしら、と思えてなりません。あまりにも工夫がなさ過ぎるし、芸がなさすぎると思うので。このところ国立西洋美術館の企画展はいったいどうしたのだ、と思うような出来です。ひとつ、「来場者を喜ばせてやろう、来場者を驚かせてやろう」という姿勢で頑張ってもらいたいものです。