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いろいろ遊べる 空想の翼を広げる「バベルの塔展」

今日はずっと楽しみにしていた「バベルの塔展  16世紀ルーデルラントの至宝-ボスを超えて-」に東京都美術館に行って来ました。

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18日からなのですが、うっかり国立演芸場の予約を18日にしていた為、19日に行くつもりでした。そうしたら、なんと19日は東京都美術館のシルバーディで混雑が予想されると展示会のサイトに出ていたため、本日に変更。実際、以前シルバーディを知らずに出かけて異様な混雑にあったことがあります。

さて、今回の展示構成は以下の通り。

Ⅰ 16世紀ネーデルラントの彫刻
Ⅱ 信仰に仕えて
Ⅲ ホラント地方の美術
Ⅳ 新たな画題へ
Ⅴ 奇想の画家ヒエロニムス・ボス
Ⅵ ボスのように描く
Ⅶ ブリューゲルの版画
Ⅷ 「バベルの塔」へ

この展示会は、なんと言ってもピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」(ボイマンス美術館所蔵)を見るための展示会です。「バベルの塔」はもう一枚あって、ウィーンの美術史美術館が所蔵しているほうが「大バベル」、今回のボイマンス美術館のほうが「小バベル」と呼ばれるそうです。

実は、ウィーンの方は以前見たことがあるのですが、今回ボイマンスの方を見てちょっと驚いたのは、思っていたよりも小さいことです。画集などで見ていたので、ボイマンス版の方がバベルの塔の建築が更に進んでいることや、色がウィーン版に比べて赤っぽいことなどは知っていました。どちらも当時の建築技術が描き込まれ、塔の建設をしている人々の姿もあり面白いのです。下のほうの階では既に住み込んでいるらしい人々の姿も見えます。かなり近くまで湾が迫り、右手奥には帆船も見えます。塔は雲よりも上まで達していて、もうすぐ神の怒りを買いそうです。ボイマンス版、ウィーン版、好みが分かれそうです。

今回の展示では、タイトルに「ボスを超えて」とあるように、ブリューゲルより一時代前の人気画家であったボスの作品もしっかりと展示されています。ボスは現存している作品数が少なく、また人物についてもあまり資料がないようなのですが、とにかく独特。あの時代にあって、あそこまでの地獄絵図というか魑魅魍魎を描き出すのはものすごい想像力の成せる技です。今回は「放浪者」「聖クリストフォロス」の2枚の油彩が登場しています。

この時代、一般庶民には油彩画より版画がお手軽に入手できたようで、ボスの絵を基にした版画もあり、また1コーナーではブリューゲルの版画作品もたくさん公開されています。ブリューゲルの版画作品は、以前「ブリューゲル版画展」でかなりの枚数を見ているので、なんだか懐かしい気もします。

それ以外では「16世紀ネーデルラントの彫刻むが興味深いものでした。なかなか今まで見たことがないように思います。大きさはさほど大きくなく、木彫ですが、なかなか趣があってよいものでした。

また、会場外では「AKIRA」で知られる漫画家/映像監督の大友克洋さんがバベルの塔を一部切り出して中を見せた「INSIDE BABEL」の展示もあり、なかなか興味深いです。バベルの塔の中はこんなことになっていたのか、というお楽しみがあります。

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東京都美術館のすぐ近くの東京藝術大学のギャラリーで「Sutady of BABEL」という展示を行っています。こちらは、バベルの塔を立体にしています。会場のカメラで顔を撮影すると、バベルの塔の内部で働く人の顔となって映されます。

バベルの塔」という作品は、いろいろと遊びが広がる作品だったのだなと実感しました。見る方も、いろいろと空想の翼を広げて見てみるとより「バベルの塔」を楽しめると思います。

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ブリューゲルの作品が大挙してやって来るということは無いのかも知れませんが、きた時にチマチマ見たいと思います。今回の展示会は楽しいものでした。この機会に、ブリューゲルの世界を見に行くのをお勧めいたします。