明日で終了してしまうので、本日は上野の国立西洋美術館で、開催している「ハプスブルク展」に行きました。
ハプスブルク家のコレクションを公開、という趣旨の展示会ですが、ウィーンにある美術史美術館からの展示が目立ちます。昨年、日本とオーストリアの国交樹立150年で、それをお祝いした行事の一環として開催されたようです。なるほど、昨年はオーストリア周りの展示会によく足を運んだような気がします。
ハプスブルク家は一時期ヨーロッパのかなりの地域を一族で独占していた人々ですから、そのコレクションもかくあるや、と推測いたします。オーストリアのハプスブルク家、スペインのハプスブルク家、スペインが統治するオランダやフランドル地方と、ヨーロッパ絵画歴に登場してくる画家たちが活躍した地域が含まれており、絵画はかなり期待していました。今回は、絵画はもちろん、食器や彫塑、甲冑も展示されております。
構成は次の通り。
1 ハプスブルク家のコレクションの始まり
2 ルドルフ2世とプラハの宮廷
3 コレクションの黄金時代 : 17世紀における偉大な収集
1. スペイン・ハプスブルク家とレオポルド1世
2. フェルデナント・カールとティロルのコレクション
3. レオポルド・ヴィルヘルム : 芸術を愛したネーデルラント総督
4 18世紀におけるハプスブルク家と帝室ギャラリー
5 フランツ・ヨーゼフ1世の長き治世とオーストリア=ハンガリー二重帝国の終焉
甲冑をまとめて何体も見る機会が無いのですが、今回、様々なシーンで着けられた甲冑を拝見。その時代の流行がやはりあるようで、ウェストがくびれていたり、華やかな装飾がなされていたり、お祭りで着られたものはやはりお衣装っぽかったりと、一口に「甲冑」と言っても色々あるのだなと、かなり楽しく拝見しました。
絵画は、ハプスブルク家の宮廷画家だったベラスケスの「青いドレスの王女 マルガリータ・テレサ 」を始め、クラーナハ(父) 、デューラー、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼらのイタリアはヴェネツィア派の作品、ルーベンスの工房、レンブラント、ヤン・ブリューゲル(父)は3枚と、この辺りが見どころかと。美術史美術館はピーテル・ブリューゲル(父)の一大コレクションが有名で、1枚でもピーテル・ブリューゲル(父)の作品があったらな、と思わないでもないのです。もっともピーテル・ブリューゲル(父)の油彩が1枚でも来ると、結構目玉的扱いになるかもしれず、ベラスケスの「青いドレスの王女 マルゲリータ・テレサ 」を始めとする一連の作品をプッシュしている今美術展としては、ちょっとラインナップを替えたりするのかもしれません。代わりに息子のヤンの作品を3枚、「東方三博士の礼拝」は、好きかな。わんさと人が押し寄せている感じが面白く、屋根の上には鶏や母屋と思われる2階の窓からは猫が覗いていたりして、楽しい。
ティツィアーノも確かスペインの確かハプスブルク家の宮廷画家だったのでは。今回の展示でもう何枚かあっても良かったと思います。もっと言えば1コーナーあっても良かったかも。
今回、やっぱり凄いな、いいなと思ったのはレンブラントの「使徒パウロ」です。絵に力があり、ついつい見てしまう。絵は不思議なもので、力がある絵はあちらから飛び込んで来ます。
工芸品、彫塑はどれも素晴らしく見応え満点。オーストリアやドイツは工芸作品も素晴らしいのがありますものね。納得です。「角杯(グリフィンの鉤爪) 」「ハート形の容器」「ほら貝の水差し」「大実椰子の水差し」「シャーベット用センターピース」など、物凄い技が駆使されています。「シャーベット用センターピース」はシャーベットを盛り付ける容器の部分にも、それを吊るして置く部分にもカメオの装飾がされており、美しくうっとりする様な品で、あれでシャーベットを頂いてみたいものです。
じっくりまわって2時間。なかなか見応えがありました。でも、とても混んでいました。
常設展を90分程まわって戻って来たら、何やら長蛇の列が出来ていました。明日までのせいか、人が押し寄せている様で入場制限している様でした。土曜日は20:00までなので、私が出てきた17:30以降、大混雑しそうです。
明日までです。