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あれもこれも、広く薄く見られる「ボストン美術館の至宝展」

9月30日(土)に上野の東京都美術館へ「ボストン美術館の至宝展」に行って来ました。

ボストン美術館が誇る古今東西の至宝80点が集結!」「ツタンカーメンからウォーホルまで!」と言うだけあって、あれもこれも広く薄く展示されていました。ボストン美術館ってこういう美術館ですと言うのが分かる様な紹介の仕方です。

構成は以下の通り。
Ⅰ 異国を旅したボストニアンたち
    1 古代エジプト美術
    2 中国美術
    3 日本美術
Ⅱ  「グランド・ツアー」 ヨーロッパ美術を集めたボストニアンたち
    4 フランス絵画
Ⅲ  アメリカン・ドリーム 自国の美術を収集するボストニアンたち
    5 アメリカ絵画
Ⅳ  同時代の美術へ 未来に向かう美術館
    6 版画・写真
    7 現代美術

ボストン美術館は日本美術のコレクションで有名ですが、それ以外も色々所有しているなと思いました。そして、やはり日本美術館のコレクションはこれでもかこれでもかと言うほど持っている様です。

今回も、日本に初の里帰りと言う英一蝶の「涅槃図」がお目当てで出掛けました。明治期のお雇い外国人であったフェノロサが収集し、彼の友人の富豪が購入、その友人の死後にボストン美術館へ。長らく収蔵庫に収められており、かなり痛んでいたものを数年前から修復し、今回、すっかり綺麗になっての里帰りが叶ったのだそうです。フェノロサが収集して以来、日本では誰も見たことがないのでしょうし、ボストン美術館では展示されていなかったらしいので、殆どの日本人は初のお目もじなのでは。

「涅槃図」は縦2.9×横1.7とかなり大きいサイズです。真ん中にどーんとお釈迦様が横たわり、周りにお弟子さんや一般の人々、その下に様々な動物が描かれています。右上にはお釈迦様の死を知らせに行ったお弟子さんとお釈迦様の母や天女らしき一団の姿。嘆き悲しむ人々のポーズも面白く、動物たちの嘆きも凄まじいものがあり、象は駄々っ子の様に足を上げてばたついて泣きわめいています。面白い「涅槃図」です。

日本美術では曾我蕭白の「風仙図屏風」「飲中ハ仙図」が出ています。代表作と言われる「風仙図屏風」では思い切りのいい大きな黒い渦巻きが左側に描かれ、龍を表しているのだそうです。真ん中に飛ばされそうな仙人、右手には風に倒されて転んでいる2人の家来だか弟子だか。さすがに蕭白らしい面白い画面構成です。酒井抱一の「花魁図」、喜多川歌麿の「三味線を弾く美人図」の安定の美しさ。与謝蕪村の「柳堤渡水・丘辺行楽図屏風」のほのぼのとして楽しそうな様子も良かったです。

中国美術では陳容の「九龍図巻」で描かれる様々な龍の様子が面白い。正面を向く龍なんて、あまり見たことがありません。

フランス絵画ではゴッホの「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」のルーラン夫妻を描いた作品が並んで展示。描かれた年が1年しか違わないのに、ゴッホのタッチが違うのが興味深いです。

と、結構楽しめました。展示会場を出て、お土産コーナーを抜けて、下りのエスカレーターの奥にVRツアーのコーナーがあり、こちらも面白いのでお勧め致します。

各文化圏の美術品を見られたので、クドさや重さは微塵もなく、カフェ飯と言うよりは素麺を啜ったような感じでした。胃もたれしなくて良かったです。

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