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時代が早すぎた?ドラマ「翔べ!必殺うらごろし」

テレビ埼玉で、ドラマ「必殺シリーズ」を延々と再放送している「必殺アワー」なる番組があります。

私、「必殺仕事人」の大ファンでして、この時間枠を発見してから延々と見ています。朝の放送の為、録画して、晩御飯のお供にしています。

 

この「必殺シリーズ」ですが、どの番組も話の大筋は同じで、非業の死を遂げた人やその家族などが、恨みを晴らして欲しいと金で殺しを依頼。正体を明らかにしない闇の殺し屋たちが、見事な仕事をする、というもの。

 

ところが、先日から放送されていた「翔べ!必殺うらごろし」は、そのシリーズの枠を大幅に逸脱した作品でした。

まず、登場人物の殺し屋たちの本名が明かされず、渾名で呼び合います。太陽を信仰する行者である「先生」(中村敦夫) 、一見人のいい中年の行商で、実は凄腕の殺し屋だった「おばさん」(市原悦子) 、見た目から男扱いされて拗ねて生きてきたがナイーブで家事全般が得意な「若(わか)」(和田アキ子) 、手八丁口八丁のお調子者ながら優れた操作能力のある正十(しょうじゅう) (火野正平) と、ここまでが旅の一向。敵か味方かただ着いて来るのか、熊野の札売りの巫女「おねむ」(鮎川いずみ) と、以上がレギュラーメンバー

このドラマは当時流行りのオカルト現象をテーマにしており、毎回変わった事件に遭遇します。この一向は通常のシリーズのように、恨みを感じている人からお金で殺して依頼されるのではなく、自主的に世直しの様に悪を成敗していきます。ただの殺しではなく、むしろ天に代わって悪を誅するといいますか、そこにお金が介在しないのです。

でも、それでは旅も続けられない。先生は行者なので大丈夫ですが、他の面子は食べなくてはならないし、旅籠にも泊まりたい。そこで、正十が悪に苦しめられている人たちから、金を掻き集めて殺しの代金とします。

殺しの技も払っていて、先生はとにかく走る。走って高所から飛び降りざま、持っていた幟の柄の先で悪者を串刺しです。なんか、昔「オーメン」と言う映画で、教会の窓を留めていた棒が落ちて串刺しになった遺体、というシーンがあって、それを彷彿とさせます。

おばさんは、物を尋ねる様に寄って行って、匕首でグサリ!その際の決め台詞が癖になりそうなほどカッコいい!

若は素手で殴り殺しです。女性なんですけど、怪力の持ち主なんでしょうね。

 

と、1話目を見た時は、「このドラマ、一体どんなドラマなの?」と思ったのでした。それまでの必殺シリーズと全く違うし、情報によると当時、視聴率が低下して途中で打ち切られたみたいな事が書いてあるし。

しかしながら、2話3話と見続けていると、何と言うか、クセになる面白さなんです。事件も他のシリーズに比べてエグすぎるし、悪役は絵に描いたような徹底的に悪い奴なんです。若い娘を殺して寺の鐘を造る際に一緒に鋳造したり、値段を上げる為に名人陶芸家一家を皆殺しにしたり、悪い奴がこれでもかこれでもかと悪い。それに天罰を与えるので、スカッとします。

 

エンディングの曲はアップビートなナンバーを和田アキ子のパンチの効いた歌唱で聞かせ、その曲がドラマのあちこちに使われ郷愁を掻き立てます。曲自体、カッコいいので、つい口ずさんでしまうほど。

 

思うにこのドラマは時代の先を行き過ぎていた為、視聴率が取れなかったのでは。今の時代に見ると、とにかく面白い。こんなに面白いドラマを知らないのはもったいないくらいです。

時代劇好き、ドラマ好きには是非見て頂きたい作品です。