東京都渋谷区の文化村に「リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」を本日、見に行ってきました。
会期は12月23日までなので、大急ぎで行かなくては、と思っていたら、好評につき26日までに延長されました。
ヨーロッパにリヒテンシュタイン公国と言う小国がありまして、そこを管轄しているのがリヒテンシュタイン侯爵家なんだそうです。現在、一家の名前がそのまま国の名前になっているのはリヒテンシュタインのみだそうです。
長きに渡りこの地方を納めてきた侯爵家は世界一とも言われる美術品の個人コレクターで、現在も集めているそうです。今回はお屋敷を飾っていた絵画をはじめ、磁器の数々が展示されています。なんと126点です。
構成は下記の通り。
第1章 リヒテンシュタイン侯爵家の歴史と貴族の生活
第2章 宗教画
第3章 神話画・歴史画
第4章 磁器 西洋と東洋の出会い
第5章 ウィーンの磁器製作所
第6章 風景画
第7章 花の静物画
実は、私は今回とんでもない勘違いをしていて、この展示会に行きました。「リヒテンシュタイン」ではなくて、「ルクセンブルク」だと思っていたのです。数年前に国立新美術館で「リヒテンシュタイン美術館展」があり、そちらに行ったので、きちんと把握していれば、わざわざ渋谷まで行かなかったと思います。でも、行っちゃったので。
会場に入って、リヒテンシュタインの位置を地図で見て「おやっ?」と思いました。ルクセンブルクだと思っていたので、「位置が違う!」と思いました。そこで初めて「リヒテンシュタイン」である事に気付きました。
来ちゃったし、と気を取り直して拝見しました。
リヒテンシュタイン公国はオーストリアとスイスに隣接する小国です。てっきりハンガリーやチェコに近いと思っていましたが、地図を見て意外だと感じました。ウィーン郊外にリヒテンシュタイン美術館があるので、てっきりウィーンの東側にあると思っていました。
今回、建国300年ということですが、長い歴史をもつ侯爵家のコレクション、多岐に渡っています。絵画も色々出ていましたが、磁器のコレクションが見どころ。
前回の「リヒテンシュタイン美術館展」でも侯爵家を飾っていた磁器のコレクションはいくつも見ました。中国・景徳鎮や日本の鍋島焼きなどの壺や皿に金の装飾を施すのがヨーロッパで大流行したそうです。よくそんなことを考えついたものだと思いますが、不思議となかなかマッチしていて格調高い仕上がりです。
今回は絵画を皿やコーヒーカップに焼き付けたものがたくさん出ていました。その技術は凄いものだとは思うのですが、個人的にはそんな皿で食事をしたくありません。
展示の後半に向かって、なんというか甘々でロマンチック一辺倒の展示物が続きます。こういうのもあるのね、と思いはするものの、どうも私は好きではありません。
結構な点数を見たのですが、1時間足らずで回り終えてしまいました。正直、以前見た「リヒテンシュタイン美術館展」の方が内容が充実していましたが、ヨーロッパの磁器に興味のある人は面白いと思います。景徳鎮や日本の磁器を参考にして、独自の磁器の開発をしていて、そこの作品も沢山出ています。国によって好みってあるのだなと感じました。
総体的に空いていて見やすいです。そして、来ている人はなぜか60代らしい女性が多く、その世代の女性が好む様な展示内容なのかもしれません。いささか甘すぎロマンチックな展示会でした。
写真を撮れるコーナーもあり、皆んなパシャパシャやっていました。