20日(火)に、横浜そごうで開催中の「篠田桃紅展」に行ってきました。
篠田桃紅さんは先日107歳でお亡くなりになりました。NHKのトーク番組で、当時100歳越えだった篠田桃紅さんと医師の日野原重明さんが対談するものでした。その番組で初めて篠田桃紅さんを知ったのですが、凛とした佇まいが美しい老女でした。
今回、ものすごいタイミングで展覧会が開かれている事を知り、どの様な作品を作られていたのか見たくて伺いました。
構成は以下の通り。
プロローグ
第1章 文字をこえて(渡米以前) - 1955
第2章 渡米ー新たなかたち 1956 - 60年代
第3章 昇華する抽象 1970 - 80年代
第4章 永劫と響き合う一瞬のかたち 1990年代以降
資料
全部で81展が展示されています。作品には番号のみでタイトルや解説はありません。タイトルや解説があると見た人がそのタイトルや解説に縛られて鑑賞の自由度が制限されてしまうから、と言うことだそうです。会場で配られる作品リストと解説があるので、後で読めます。
初めて拝見して、墨で描く抽象画なんだと知り、驚きました。墨の濃淡、筆で描く線の強弱や勢い、使われている色は金・銀・赤・墨。とても日本を強く感じさせながら、洋風というかモダンな出来栄え。なるほど、欧米で人気があるはずです。たおやかさと凛とした雰囲気があり、作者はきっとこういう人だったのだろうと想像させます。日本家屋の畳の間よりも西洋建築のフローリングや石の床を持つ建物に飾ると似合いそうです。一言で言うとハイカラな作風。
篠田桃紅さんの作品からは、何と言うか、厳しさを感じます。それと共に、表現する事の自由奔放さ。自由に生きると言うことは、かくも厳しく、かくも楽しいのかと。
平日に伺ったので、空いていてゆっくりと見られました。お客さんはやはり女性が大半で、年齢層は高めです。横浜だからかお洒落な方が多かったです。
私は、篠田桃紅さんは自由に生きた大先輩だなと思っていて、今よりずっと女性が不自由だった時代から、そんなことを突き抜けてご自身の芸術家としての道を切り開き生きてきた女性の生き様を見るような作品群に、背筋が伸びる思いがしました。