昨日、東京都豊島区にある美術館を訪ねたのですが、JR池袋駅から徒歩30分くらいだったので、地下鉄の要町駅を目指して歩きました。その際、立派な門のあるお寺がありまして、何だろうと地図を調べたらカフェがあるらしい。どうやら数年前に話題になったお寺の中のカフェのようです。そこで、美術館の帰りに寄ることにしました。
そのカフェは祥雲寺と言うお寺さんが、法事などで使われていない時に運営しているカフェのようで、まず山門脇に「時々開いてるぼうず’n coffee 」との看板が出ています。いつもやっているわけではなく、不定期営業のようです。じゃあ、たまたま通りかかってとてもラッキーでした。
正面の山門から入りまして、右側の建物がカフェの入り口となっています。靴を脱いで靴入れに入れ、その場でお店の方に注文して支払いをします。番号札を受け取り、1階のお席か2階のテラス席で席を見つけて待っていると、お店の方が運んでくださいます。注文品を運んでくださる方はお坊さんのようで、黒い衣を付けています。因みにスタッフは女性の方もいるようで、受付や下げた後の食器の処理、座布団を重ねたりなどをされているようです。多分、調理もかな。
私は1階の畳のお部屋に席を見つけました。お寺ですから結構な広さがある畳敷きのお部屋で、ぐるりと縁側が付いています。縁側が人気で、既に先客がいっぱいで席が見つからず、お庭が見えるようにテーブル席でもお庭に一番近い列に座りました。その部屋は何択も黒い4人がけのテーブルが整然と並んでいるのですが、利用者はお一人様が多いようで、皆一様に庭の方を向いて並んでいるのです。結構混んでいましたが、ソーシャルディスタンスのご時世、4人がけでもせいぜい2人利用が普通になってきていますし、4人などの大人数で来て大声で喋っている集団もいなかったので静かでした。
引戸を開け放しているので庭からの風がよく通り、多分エアコンは点けていなかったと思うのですが、とても涼しく快適な空間でした。
目の前に迫っている木に時々鳥がやってきて、木の葉の間から見え隠れするのも嬉しいし、鳥の鳴き声も聞こえてきます。そこはかとないお香の香りも心地よく、とにかくボーっとお庭を見ていられます。
縁側の席が空いたので、飲み物を持って移動しました。縁側は風が心地よく、お庭が目の前と言うこともあり、植物のパワーにも癒される感じです。
そして何より風の音が聞こえるのが素晴らしい。その庭を通り抜ける風が見える様な感を受けるほど、耳に心地よく風が吹いていくのです。あ〜、ここは風の音を聴きに来る場所なのかもしれないなぁ。
普段の生活が忙しいとなかなか風の音を聴くことがありません。自然の音は、風だけでなく、雨や水、波など、なぜか心が安らぐ音です。
ここがお寺だというのも素晴らしく思えます。お寺は現代の生活ではあまり頻繁に伺う場所ではなくなっていますが、本来、文化や教育を担っていたり、檀家さんや地域の方々の知恵袋的な場所だったりするはずです。お寺にはお庭があって、目からもリフレッシュできるし、お寺の行事に参加する事で精神的安定が得られたり、地域の方々とコミュニケーションがはかれたりします。そういう事が希薄になった現代でも、カフェという場所を作る事で、結構お寺と似た効果が期待できるのかもしれません。
とにかく、目から耳から、もちろん美味しいコーヒーやお茶、お菓子からも元気が頂ける場所だと感じました。
今回はお昼ご飯をしっかり食べて出かけたので、15:00少し前に伺ったのにお腹が空いておらず、アイスコーヒーだけ頂きましたが、こちらのカフェは飲み物もお菓子類も充実している様でしたので、次回伺う際は何か食べてみたいです。お抹茶もあったみたいです。レモンスカッシュとかも。
こちらのカフェではとにかくボーっとする事を楽しむのがおススメです。せっかくの空間なので、ずっとスマホをいじったりしているのは勿体ないです。
昨日は「熊谷守一美術館」に行ったり、お寺のカフェ「ぼうず’n coffee」に寄ったり、すごく充実した一日でした。