本日は東京都美術館で現在開催中ながら、ずっと気になっていたのに行けていなかった『マティス展』に行きました。東京は暑く、歩く道も日陰を選ぶ程。もっとも美術館に辿り着けば涼しいのですが。
この展覧会はなんと20年振りの大回顧展だとか。マティスの最大規模のコレクションを持つポンピドーセンターの全面協力を得て実現したそうです。初期から晩年、ドローイングや彫塑も含んだ作品群、更に最晩年に住んだ南仏ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂の仕事までをカバーした約155点の展示です。
構成は以下の通り。
1. フォーヴィズムに向かって1895ー1909
2. ラディカルな探求の時代 1947ー18
3. 並行する探求 1913ー30
4. 人物と室内 1918ー29
5. 広がりと実験 1930ー37
6. ニースからヴァンスへ 1938ー48
7. 切り紙絵と最晩年の作品 1931ー54
8. ヴァンス・ロザリオ礼拝堂
マティスがどの様にして、私たちがイメージするマティスになったのかを年代を追ってみていく様な展示で分かりやすいです。若い頃は暗目の色調で、割と正統派っぽい作風ですが、途中から色々と刺激や影響を受けてどんどん作風が変容して行く様が面白い。マティスと言うと、要らない線をどんどん無くしていったらこうなりました的な作品をイメージしてしまいますが、そこに行き着くまでの紆余曲折があったはずで、そういうのが興味深いのです。
切り紙絵と言う手法も、病気をしてしまったところから始まるわけですが、この人、めげないというか、これがダメならこうしようかなみたいな創意工夫、切り替える能力、なんと言っても美術に携わっていたいという情熱でしょうか、変容を恐れないアーティストだなと感じました。私はマティスは「jazz」シリーズなどがものすごくマティスっぽくて好き。赤い室内を描いた油彩などもインパクトがあって、オシャレで素敵です。19世紀後半から20世紀中程まで活躍した画家ですが、とてもモダンでオシャレな作風だと思います。そういう点って、本人が何歳になろうと変わらないというか、失われないものだなと思います。
今回、初めて最晩年の仕事としてヴァンスのロザリオ礼拝堂のお仕事の数々を見ました。映像の上演もしているので、全貌が分かるのですが、なんともモダンでお洒落な礼拝堂です。ステンドグラスのデザインやキリスト磔刑図の立体作品、壁に描かれたキリストの生涯のピクトグラムの様な図など、白い室内に光が入る時間によって趣が変わり、なんとも美しい空間となっています。こういうモダンな礼拝堂もそのまま馴染んでいる南仏の風景もまた素晴らしい。
展示会場自体は1時間もあれば見られます。お土産コーナー込みで90分もあれば大丈夫。一部、写真撮影が出来る階もあり、多くの人がシャッターを切るのに忙しそうでした。胃もたれしない楽しい展覧会になっていますので、多くの方に足を運んでいただきたいです。
📷 一番下はチラシと目録、お土産。お土産コーナー出てすぐにあったピンズのガチャと、ミュージアムショップにあった缶バッジのガチャで出たピンズと缶バッジ。欲しかった物は残念ながらどちらでも出ませんでした。しかも缶バッジのガチャは2種類あって、間違った方を利用してしまった。まあ、いっか。