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新しいフランケンシュタインか?映画『哀れなるものたち』

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映画『哀れなるものたち』を観てきました。

う〜ん、これ、フェミニズム映画なのでしょうか?多分、そうなのでしょうね。

何というか、凄いな話だなぁと。ストーリーはかなり荒唐無稽で描写はドギツク、映像は美しい。そこで繰り広げられている世界観は観てて飽きない。

妊娠している若い女性が等身自殺を計り、彼女は死んでしまったけれど、胎児は生きていて、その脳を女性の頭に移植すると言う話。身体は大人ながら、脳は子供。それでも脳はどんどん成長するので、だんだん身体に追いついてくる。頭の中が子供なので、既成概念が無い分、何でもやりたい放題、欲望に忠実なベラ。やがて成長し、色々な情報を取り入れて、新しい時代の女性になってくるわけですが、世間は古い概念に縛られていて、軋轢が起きてしまう。ハラハラドキドキもする展開。この物語を見ていると、結局男性は女性の周りで右往左往しているだけで、本当の決定力など持っていないと感じさせる。ベラはどんどん進化するだろうし、そんな彼女をそのままに愛せるマックスは幸せな男性だろう。

これは新たなる『フランケンシュタイン』の物語だ。ベラを作り上げる天才外科医のゴドウィン、通称「ゴッド」はまさにフランケンシュタイン博士を彷彿とさせる。その造形は博士が作ったフランケンシュタインの様に身体中縫い跡だらけ。天才外科医の最高傑作がベラだったのだろう、ただそれだけで無く父性を感じてもいただろう。

現代では外科的な手法で無くてもフランケンシュタインは作られつつある。神の如き天才たちに作られたフランケンシュタインたちは果たして幸福なのか、そんな感覚や感情は持ち得ないのか?

美しく禍々しい夢を見る様な作品だった。後に残ったのは女性性の逞しさだった。なるほど、あちこちで賞を取っている作品だと納得。面白くベラの冒険を楽しみました。

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