ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

「ハウルの動く城」 戦う老婆は飛行少女

テレビで放送していたので、見てみたのです。「ハウルの動く城」。スタジオ・ジブリのアニメーションです。今まで何度もテレビで放送しているはずなのに、きちんとしっかり見たのは初めて。
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いや~。驚きました。私、これ、大好き ! どうして今まで見たことがなかったのだろう !?ハウル役が木村拓哉だという偏見で、見なかったのかしら ?
 
とにかく、今回初めて見て驚きと共にドキドキワクワク、かなり真剣に見てしまいました。ヘンな話と言えばとてもヘンな話で、魔法使い物だからヘンでも良いのかもしれません。正直言って、全世界で大絶賛された「千と千尋の神隠し」より好き !
 
荒地の魔女に魔法で老婆に変えられてしまった18歳のお針子ソフィがヒロイン。美女の心臓を食べていると噂されている美青年の魔法使いハウルの城にたどり着いたソフィと、本当は臆病者で自分勝手なハウルハウルの弟子の少年マルクル、城を動かしている火の悪魔カルシファーとの共同生活が始まる。
 
舞台はヨーロッパらしいどこかで時代は第一次大戦の頃かしら、と思わせるような感じ。荒地の魔女の手下や、ハウルを狙う敵方の手下の形態や動く城の形態がなんだかブリューゲルの絵に出てくるおかしな生き物と似ている様で、そこも私の気に入ったのかもしれません。そして、この作品全体が、ブリューゲルの「怒ったフリート ( Dull Gret , 英語名 Mad Meg ) 」をイメージさせます。
 
ソフィは年をとった姿に変えられてからの方がはつらつとしているようにも見えます。若い乙女だと、容姿の良し悪しなどで、気が引けることもあるけれど、老婆になってしまうとそんなことどうでも良いですものね。それよりも元気で働き者、前向きなのが一番、とでも言いたげなキャラクター・デザインです。時々、感情の起伏によってや寝ている時は18歳の乙女に戻っているのも面白い。
 
荒地の魔女も登場してきた時は、とても悪い手ごわい魔女のように見えるのに、後半、ただのおばあさんになってしまい、ソフィたちに「おばあちゃん」と呼ばれて介護されている始末。なんか笑える。
 
そして、宮崎アニメの定番でしょうか。非行少女ならぬ飛行する乙女。今回もしっかり小型簡易飛行機のようなのでソフィは飛行していました。この飛行する乙女の姿というのが、私には「ニーベルングの指輪」の「ヴァルキューレの騎行」を連想させます。宮崎アニメに出てくる乙女たちは強くて、戦っている女性が大半のように思います。
 
お話自体は単純で、本当の愛を知った時に呪われた魔法が解けるというもの。でも、実際の世の中では、呪われたまま魔法が解けずに踊らされている人間が大半かもしれません。
 
なんか、今見てみると、とてもいい話で、魅力的な作品でした。ただ不思議なことに、名女優であるはずの賠償千恵子さんがあまり上手に感じられなくて残念でした。年取ったところと若いところは別の人でも良かったのでは、と思います。ハウル役の木村拓哉もイマイチでした。あとは、絵柄とぴったりとマッチしていて良かったと思います。加藤治子さんなんて、アニメの方が顔まで似ているし。英語吹き替え版ではハウルクリスチャン・ベールですよ ! 荒地の魔女はなんとローレン・バコール !!
 
アニメーションと言っても大人が見るに耐える作品だと思います。原作も読んでみたいな、と思いました。