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なんだか脱力「雪村 奇想の誕生」展

今日は用事が午前中で済んだので、5月21日まで上野公園の東京芸術大学美術館で開催中の「雪村 奇想の誕生」展に行って来ました。

東京芸術大学美術館は初めてです。展示室が3階と地下2階で、ショップとカフェが2階にあります。建物を入ると案内、ロッカー、トイレ、くつろげる椅子、建物の外にはテーブルと椅子があります。美術展の入口を通って3階へ。

さて、「雪村 展」ですが、構成は下記の通りで、雪村、その他で計68展の展示でした。(4/25~5/7)

第1章 陸奥時代 画僧として生きる
第2章 小田原・鎌倉滞在 独創的表現の確立
第3章 奥州滞在 雪村芸術の絶頂期
第4章 身近なものへの眼差し
第5章 三春時代 筆力衰えぬ晩年
テーマ展示 光琳が愛した雪村
第6章 雪村を継ぐ者たち

雪村は16世紀の戦国時代に生きた画僧で、関東水墨画関係者の中では有名な画家のようです。雪村の足跡を現した地図があったのですが、現代の千葉県で生まれて、関東と東北地方でも南の方のみで活動していたようです。

初期から晩年までの作品が見られます。ただ、作品によっては保存状態がよくない物もあり、目を皿の様にしてやっと何が描かれているのか分かる物や、紙を上手に巻けない時についてしまう様な線が沢山ついている物もあります。

この展示会の目玉とも言える「呂洞賓図」を楽しみにしていたのですが、なんと前期のみの展示との事で見られませんでした。「呂洞賓図」は3つあり、別の構図のものが2点出ていましたが、やはりチラシになっている作品が一番ぐっとくると思います。会期中、ずっと出ていると思っていたので、思わぬポカです。せっかく行ったのに。私としてはそれを見る為に行ったわけで、それ以外はオマケとでも言いましょうか、なんだかとても気落ちしました。

良かった、面白かったのは踊る布袋や「金山寺図屏風」、鍾馗と組み合う虎など。「竹林七賢酔舞図」は普通は高尚な感じに描かれる七賢者が飲めや歌えの宴会を繰り広げている図で面白い作品です。

画僧と言うと、どんなにお固いのかと思いがちですが、どうも雪村さんはかなりユーモアのセンスがあった様です。それまでの水墨画の概念を壊したらしいです。だから「奇想」なのか。描きたい画題を好きに描いたって事でしょうか?
かなりヘンな絵があるのは確かですが、それまでの水墨画の流れを組む「瀟湘八景図」の様なのもあるので、どちらも描ける人だったのでしょう。気楽に見られると言うか、脱力感すら感じる作品もあります。

今まで、雪村と言う存在自体知らなかったので、今回はいい機会となりました。いずれ、今回見逃した「呂洞賓図」も見られるといいなと思います。

それにしても、最近の日本画は「奇想」ブームですね。若冲蕭白と来て、次のスター探しをしている様ですらあります。とりあえず「奇想」と言えばブレイクか、みたいな。次は何が来るのか、楽しみです。

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この「呂洞賓図」が見たかったのです!