ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

昔ながらの理髪店

今日は父を連れて外出。

 

父がずっと行きたがっていた床屋さんに行きました。その理髪店は父の行きつけだったのですが、約12年ほど前に父が倒れて入院して以来、行く事が出来ませんでした。

父が回復して車椅子生活になり、ホームにお世話になるようになってからも、時々その理髪店の名前は出ていたのですが、中々連れて行けなくて、今に至っていました。

本日、たまたまその近くに用事があり、介護タクシーで行ったのですが、思いの外時間がかかってしまい、介護タクシーさんに連絡したところ、「15分で行きます」とのこと。その後は駅前のホテルの中国料理店に行く予定だった為、ランチが終わってからお迎えに来ていただくことにしました。

で、歩いていたら、その理髪店の前を通りまして、寄ってみようかという事に。やっているのかな、と店内を入り口から覗いていたら、丁度出かけようとしていたその店の方が声をかけてくださって、散髪してもらえる事になりました。

「以前、よく来ていたんです」と伝えたところ、あちらも分かったみたいで、懐かしい人を見るような。散髪をしていただき、髭剃りと顔や頸を当たってもらい、整髪料をつけて出来上がり。やってもらっている間、父は気持ちよくなっていたのか、ずっと目を閉じていました。出来上がりを鏡で確認して、満足そう。「男前になったね」との私たちの声に満更でもなさそうな笑みを浮かべていました。

 

その理髪店ですが、父が行っていた頃から代替わりして息子さんがやっているのかと思っていたのですが、本日、父の散髪をしてくれたのは、以前にやってもらっていた理容師さんその人でした。父より若いのかと思ったら、なんと2歳年上の御年89歳で現役バリバリ。御見逸れ致しました。

人間、元気でお仕事を現役で続けている方はいつまでも若いですね。

この理容師さんも、以前のお得意さんが年のせいでどんどん亡くなっているのだと思うのですが、本日、父を見た時に、「あっ、生きていたんだ!」と思ったと思うのです。「懐かしい人が来たな」と思った事でしょう。

待っている間、奥様が私と妹にお茶を出して下さいました。父の散髪が終わるタイミングで、父にもお茶が出ました。きっと昔はこんな感じで、何人ものお客さんが待合室でピーチクパーチク楽しんでいたのでしょう。

お店はレトロな感じで、ピカピカに磨き上げられ、このまま映画に出てもいいくらいの味わいがあります。入り口入って正面が一面の鏡で、床屋の椅子が2台設置されています。左側にそれぞれの大きな鏡が付いているので、以前は椅子が4つか5つあって、理髪師も複数人だったと推測します。綺麗に磨き上げられた心地よい空間です。

 

父のホームには出張してくれる床屋さんが来ていて、父はいつもこざっぱりはしています。出張の床屋さんや、ショッピングモールに入っている切るのが専門の床屋さんもいいのです。安くて上手だし。でも、たまにはこういう昔ながらの理髪店も良いものだと思います。やってもらっている人が、よい気分になれるのが何より。特にお年寄りは実質のみだけでなく、たまにはこういう懐かしさも良いかと思いました。もっと早く連れて行けばよかったと思います。

 

お店を出る時に、ご夫婦でお見送りしていただきました。本当に、よい時間でした。父も、満足そうです。