本日は「柚木沙弥郎と仲間たち」展を見に日本橋高島屋へ行きました。いつでも行けそうですが、何だかんだと出かけられず、ジリジリしていたところ、予定が繰り上がったお陰で、本日の午後にポッカリと時間が出来ましたので、ここは行き時とばかりに出かけました。日本橋高島屋と日本橋三越の位置をうっかり取り違えており、暑くて死にそうな為、巡回バスに乗ったら、日本橋三越まで行ってしまい、結局暑い中、三越から高島屋まで歩く羽目に。ダクダクと汗をかいて行った甲斐がありました。
現在、100歳を超えて、尚、現役の染色家である柚木沙弥郎 氏。氏の作品は数年前に行われた大規模な展覧会の紹介を「日曜美術館」で見て、知っており、一度実物を見てみたいと思っていたのです。染色という概念を覆すような大胆なパターンや色使い、ポップすぎやしませんか、と言いたくなるような愛らしい作品、それが布に染め上げられて、更に衣服やインテリア製品などに形を変えて実際に使われると思うと楽しくなります。
今回の展覧会では、「民芸」というムーブメントの中で、柚木沙弥郎 氏をはじめとした染色家、陶芸家たちの活躍とグループでのつながりを見て行くものとなっています。
今回の展覧会の構成は以下の通り。
第1章 出会いとはじまり
民芸との出会い
ひぴきあう仲間たち
第2章 生活を彩る色・かたち・もよう
第3章 ひろめる ひろげる 萌木会の活動
特別展示 「柚木家の食卓」
柚木沙弥郎 氏の作品は、染色家に成り立ての頃の作品はそれはそれで美しいのですが、後年のポップな作風がやはりいい。こんな可愛い柄だけど、何に使うのか?と思ったら帯地だったりするので、それを締めた時を想像するだけで楽しい。巨大な変形した水玉模様、これ、素敵だけど柄が大きすぎて私だったら着られないなぁ、大柄な人ならワンピースとか面白いかも、とか想像してニヤニヤ。この色柄だったら夏のワンピースにしたら映えるなとか。かと思えば、「型染竹林文帯地」の様な斬新ながらシックな物もあり、とにかく見ていて楽しい。
染色家のグループ「萌木会」の面々の作品も展示されており、私は立花長子 氏の「藍丸に蝶模様着物」が可愛くて好き。こんな着物地は見たことがない。
親友である2人の陶芸家武内晴二郎 氏、舩木研児 氏の器も楽しい。特に舩木 氏の作品はバーナード・リーチと通じるものを感じます。
デパートの中の美術館ですので、そんなに広くなく、今回の展示数も約113点と割と小ぢんまりとした感じですが、楽しいという意味では見て損はありません。民芸好きの方も、特に民芸に興味はない方も、見ておいた方が良いです。
この展覧会と同時開催で、「用の美とこころ 民芸展」という即売会をやっています。こちらは3年ぶりの開催の様で、「民芸に興味が湧いた」ら、お隣ですぐに買えちゃうのがデパートの良さですよね。
時代が無機質に傾きすぎたのか、今の時代、また民芸の様な作り手の暖かさや無骨さが愛おしくなっているのかもしれません。こちらの「民芸展」も、各店舗を冷やかしてみるのも楽しいですよ。お気に入りが見つかったら買っちゃえるし。手が届く値段設定なのも有難いです。
日本橋高島屋では「柚木沙弥郎と仲間たち」展に力を入れている様で、本館の表のショーウィンドウは一面この展覧会のもの、入ってすぐのエントランス部分にもこの展覧会と「民芸展」を思わせる展示がされています。日本橋に行くついでがありましたら、それだけでも覗いてみたら楽しいですよ。
📷 本館入り口すぐの展示。ショーウィンドウ。
📷 一番下左、展覧会のチラシ、出店目録、チケット、お土産のポストカード。右、三越から高島屋までテクテク歩いたご褒美のうさぎやさんのどら焼き。