ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

女性蔑視のディストピア小説続編「誓願」

昨日あちこち行ったりやったりしたので、気持ち的には家にいたい。

今読んでいるマーガレット・アトウッドの「誓願」の世界観にこのところどっぷり。前作「侍女の物語」の続編で、描かれているのは極端な政教一致の国で生きる女性たちの話。今作は3人の視点から描かれている。ギレアデの女性統治の頂点に立つリディア小母、「支配者」の娘アグネス、隣国カナダで育ったデイジー。ギレアデを転覆させるべく動く3人が交わる時、国は内部崩壊を迎えていくのだが、暗い雰囲気のディストピア小説です。

ここに描かれている極端な女性蔑視の文化は、実は現在でも世界のあらゆる所で見られる事です。一見、非常に女性が進出している様に見える国でも、日々の生活のあちこちに女性蔑視の芽は見られる。この小説ではアメリカの一部がギレアデという国になっていて、それ以外のアメリカの地域と戦争中という設定です。前作ほひたすら抑圧されている「侍女」という身分の女性の視点から語られる物語でしたが、今回は女性統治の最高責任者、リディア小母によりギレアデの成り立ちなども語られるので、この国がどの様に統治されているか、どのように作られたかなども分かり興味深い。3人の女性の働きで、このおぞましい国が崩壊する様が予感させられます。

非常に興味深い読書でした。

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