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この世界観は未来なのか過去なのか? M・アトウッド『侍女の物語』

今日は天気が悪かったせいか寒かった。このところずっとマーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を読んでいました。

タイトルから時代物かな、なんて思っていたのですがさにあらず。これ、ディストピア小説でした。

突然勃興した宗教的な国家で、女性は財産を差し押さえられ、仕事を奪われ、政府の決めた役柄に着くしかない生活を送っています。主人公は子供を産むためだけの「侍女」で、彼女の目を通した社会が語られます。「侍女」を管理する「叔母」、家事をする「女中」、高官以外の男の妻「便利妻」など、女性の役割は限定的で自由のない社会が延々と語られます。さらに、規律を乱したものは処刑されてしまうという社会で、人々は息を潜めて生活しています。

ここで描かれる社会は女性の人権がまるで保証されていないうえ、男性も限定的な活動しかできない重苦しい社会で、一部の為政者だけが潤っている様子。

凄い話だな。でもイスラム圏の女性たちもこんな感じなのかしら、とも思ったり。この社会では全てが規則に則って行われるため、ちょっとした心の通い合いは至上のものと感じられるのでしょう。女性が不自由な社会は、結局は男性も不自由な社会なのだろうと思います。

続編が出ているようなので、いずれそちらも読んでみようと思います。

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