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役者がそろった写楽展

東京国立博物館で開催中の「『特別展』写楽」へ、21日(土)についに行ってきました。
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会場は二つに分かれていて、第一会場は写楽のみならず、写楽のライバルたちの紹介や、同じ役者を描いている他の絵師との比較、写楽の作品でも保存状態での比較など、企画が面白い。
同じ役者を描いてもこんなに違うのか、と感じるほど、やはり差が出ていて面白いです。写楽を生み出した名プロデューサー蔦谷重三郎の存在も紹介され、歌麿北斎も展示されています。
保存状態の比較も面白く、色が全然違うのにはびっくり。また、版を重ねた方なのでしょうか、髪の線とか、着物のがらとか、線が薄れていたりする方があるのです。
それにしても、描いた写楽もすごいけれど、彫った人も摺った人もすごい。浮世絵ってチーム芸術ですね。言わば「チーム写楽」でしょうか。
もちろん版元も入れて、です。
 
第二会場はさらにすごかった。写楽の活動期間は10ヶ月。作品数は148図、うち142図が一同に展示されています。 ( 数が違っていたらごめんなさい ) 今回、出展できなかった作品の1図は山種美術館にて公開中のため、とあり確かに先日見たことがある作品の写真が飾られていました。行方不明のものもあります。
 
そして、写楽の作品の大半が歌舞伎のシーンを描いたものであることから、どんなお話なのかの解説付きです。
大首絵で有名な江戸兵衛と奴一平のシーンなどは、映像でも確認でき、なるほどこういうシーンの一瞬を描いたのか、と納得できるのも楽しい試みです。浮世絵の展示会はあっちこっち行っているものの、どういうお芝居なのか解説があったり、映像で同じシーンを見られたり、というのは初めてです。気が利いています。
 
それにしても、やはり写楽は第一期の役者大首絵がいいですね。一度見たら忘れられない。今で言うブロマイドのようなものだったのでしょうから、役者には不評だったのも分かります。写楽の描く女形は女装した男みたいに見えるし、み得をきった瞬間を描いている物は寄り目でへの字口だし、きれいで華やかな歌舞伎の場面というよりは、漫画のような風情だし。
外国の美術館に随分収蔵されているようで、浮世絵を初めて見る人がこれを見たら、浮世絵ってこういうものか、と絶対思い込んでしまいそうなほどのインパクトです。
 
一緒に行った友人は、「今まで写楽歌麿北斎も、なにがなにやらごっちゃだったものの、これでスッキリと良くわかって良かった。特に第二展示場はよかった」と絶賛していました。
 
展示作品数が多く、これでもかこれでもかという感じです。でもすごい充実感です。年配の方も多いのですが、外国人の方の姿も、他の展示会より多かったように感じました。
 
そして、写楽を見て強く感じるのは江戸時代の粋です。写楽の世界に遊ぶのは、心楽しいひとときでした。まだ、行かれていない方、是非見に行くことをお勧めいたします。私ももう一回行きたいなぁ。