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大河ドラマ「平清盛」最終回

NHK大河ドラマ平清盛」が最終回でした。
 
このドラマ、内容は良いのに何故かずっと低視聴率で話題になる程。最初から兵庫県知事の「画面が汚い」という暴言でケチが付き、それ以降まったく視聴率が上がらず。また、今年は色々と大河ドラマには辛い出来事があり、例えばオリンピックとか、最近では衆議院選挙とか、一体どうしたんだ、と言いたいくらい放送時間と同時間なにかの番組があったり、時間変更を余儀なくされたり。これだけひどい仕打ちをされた大河ドラマも無いのでは。
 
私個人としてはも「平清盛」はここ数年で一番面白く見られたかも知れないくらい、日曜日が楽しみになるドラマでした。日曜に見て、土曜の再放送を見るくらい、毎回2度ずつ見てしまいました。平安時代という時代自体があまりなじみがなく、映像化されていないし、平清盛については歴史の教科書でもほんの数行で終わってしまっていたような気がします。そして源平の戦いを描くようなドラマでも、常に清盛は悪役として描かれていました。そんな清盛が今回主役。いったい平家とは何なのか、どうしてどちらも武士なのに源氏は源氏なのに平氏は平家になったのか、など好奇心が尽きません。今回のドラマは、その答えを視覚化してくれたというか、今までの謎をスッキリと解いてくれた作品となりました。
 
演出も音楽も美術もとてもよかったし力が入っていたと思います。もちろん演じる役者さんも良かった。私、実は主演の松山ケンイチさんという俳優さんは、どうも好きではなかったのです。なんというか、目つきが嫌いというか、顔が嫌いだったので、当初、1年見続けられるか心配だったのです。しかし、驚きましたね。清盛が高平太と呼ばれていた少年時代から亡くなる64歳まで見事に演じきりました。老年の清盛もきちんと年を取っていて、演じているマツケンは26だか27歳なのに、なんと貫禄があって立派なんだろうと感じます。松山ケンイチという俳優は、こんなに上手い、いい俳優だったんだな、と見直しました。信西役の阿部サダヲさん、ここ数年メジャーな俳優になったのか、あちこちで活躍中ですが、私、ダメだったんです。何がダメかというと、何と言うか、存在そのものが苦手でした。友人に言わせると「劇団臭がしてしまうのでは ? 」と言うことなのですが、多分その辺りがダメだつたのだと思います。しかし、「平清盛」の阿部サダヲは違った ! とっても役が合っていたし、見ていてしっくりきて、良かったのです。「嫌い」という気持ちがなくなりました。
 
番組中ツイッターをやったり、色々企画物をやって視聴率を上げる努力をしたにも関わらず、結局視聴率が上がらないまま最終回です。ドラマ自体は力作なのにね、という思いでいっぱいです。このドラマの評価は「とても良かった」というものと「つまらなかった」というものの両極端になるんだろうな、と想像します。時代劇が好きでよく見ているとか歴史が好きとかいう人の評価は高いと思います。それと、映像作品が好きで、演出にこだわるとか言う人は好きな作品だと思います。一方、自分が知らない、理解できないものはそのものが悪いという人たちの間では評価が低いでしょう。今の時間、視聴率はもはやアテになりません。録画して見ている人も居るし、好みも多様化している時代です。良いドラマが高視聴率とは限らないし、高視聴率だからいいドラマでもありません。視聴率に振り回されるのはもはやナンセンスです。
 
とは言うものの、多くの人に見てもらうために事前に打てる手もあったはずですが、NHKはそれをやっていなかったのも敗因だったでしょう。なじみの無い平安時代を舞台にするのですから、番組が始まる前にキャンペーンを打つなり、事前に平安時代の予備知識を植えつけるような番組を組むなりすることは出来たはずです。視聴率が低い、となってから挽回するのはより難しいと思います。それと、年配の人が言っていたのですが、「知っている俳優が誰も出ていない」という点です。いつも大河ドラマを見ている層をスッパリ切り捨ててしまったのも敗因の一つでしょう。NHKとしては、若い人たちにも見てもらいたいということで、若手俳優を大量に投入したのでしょうが、それによって年配の視聴者が追いて来られなくなってしまいました。要はバランスの問題です。夏ごろ、妹と冗談を言ってしまいました。「平清盛が入道になったところからマツケンマツケンでも松平健になるって言うのはどうかしら ? 朝ドラだって最後の1ヶ月、別の女優さんになっていたし」。ま、あくまで冗談ですけど。ドラマの進展に従って、年配の人たちが知っているスター俳優を投入したら、とか言っていました。松山ケンイチさんの演技は老年のところも良かったですけどね。
 
昨年の今頃、妹が「私、来年、大殺界なんだけど、占いの本をみたら同じところに松山ケンイチってあって、来年の大河の主役か、と思ったら、そんなにひどい年にならないと思ってほっとした」と言っていました。でも、やっぱり、松山ケンイチさんは大殺界だったみたいですね。大殺界の人が主役だと視聴率が上がらないんだそうです。
素晴らしい作品だったのに、残念でしたね。
 
でも、本当にいい作品でした。見逃していた人は、総集編があるようですので、それで堪能してください。