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「竹内栖鳳展」ライオン、猫、猿・・・毛並みの素晴らしさ

今日は、本日まで公開中の「竹内栖鳳展」を見る為に、東京国立近代美術館へ行ってきました。
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最終日だからか、三連休だからか、異様なほど混んでいました。そして、年配の人が多い。
 
竹内栖鳳って、全く知識が無いままに見に行ってしまいましたが、唯一私が知っているこの画家の絵がありまして、今回その絵も出展されているのと、一通り重要作、代表作が出ているということで、どんなかしらと単なる好奇心で出かけました。
 
日本画です。でも、20世紀半ばまで生存していた方なので、その作風はなんというか、新しい。このところ、結構マメに色々な日本画を見てきましたが、その多くは江戸時代のもの、あるいはそれよりも前の時代のもので、それらと比べると、ビックリするほど新しい作風です。当たり前と言っては当たり前なんですけれど、見た瞬間、「あらっ、モダン」って思ってしまいます。
 
この方、動物を描いた作品が多く、圧巻なのはその動物の質感と申しますか、肌の感じとか毛並みの感じの表現が素晴らしい。屏風がいくつも展示されていましたが、ライオンを描いた物が数点あって、今まで日本画でライオンというのは見たことが無いのですが、なんと言っても日本画では虎です、そのライオンの顔や前足の表現やたてがみの表現の素晴らしさったらありません。ダッとライオンが飛び掛るような動の動きと、じっと座り込んでいる静の動きとが対になっています。たてがみの墨をにじませたような描き方も独特で、屏風の中にライオンを入れ込んで飼っているようです。象というのもあって、象は他の画家も描いてきましたが、どちらかというと想像で補っているような動物だったようなのですが、さすがに20世紀ですから描かれる象もリアリティがあり、その重量まで伝わってきます。
 
それで、前出の猫ですよ。青い目の猫が背を向けて座り、首を回してこちらを上目遣いで見ている作品です。「班猫」という作品で重要文化財です。もっと小さい作品かと思っていましたが、思いの他大きくて驚きました。そして、この猫の毛並みの素晴らしさったら !! うっとり。手を伸ばしてその背を撫でてみたいくらいです。日本画でも、浮世絵でも、猫は結構描かれていると思いますが、私の知る限り、この「班猫」は一番可愛くて、美しいく、一番上手な猫だと思います。
 
もう、これを見られただけでも満足しなくては・・・。
 
作品数も結構あり、資料もあり、スケッチもありと結構見るものは点数的にあるのですが、あまりにも混んでいて、とにかく何を見ているのか分からないのです。とにかく、比較的すいているところからどんどん見て、気に入ったものや気になったものは、あとから戻って見る方向性で、ガンガン回ったので、1時間足らずで見終わってしまいました。贅沢な見方かも知れませんが、混みすぎていて、見た気がしないので、苦肉の策です。
 
初めて見る画家の個展なので、本来もっと丁寧に見たかったと思います。最終日に行ってはいけませんね。でも、こういう画家もいるんだなと、その力量はよく分かりました。
 
「班猫」のポスト・カードを購入して帰ってきました。