ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

クレーマー とても偉い人たち

最近、ピントがづれまくった人が、「客」という名の下に暴言を吐いたり、一方的に企業の応対に出た人間を悪者にしたて、むりやりあやまらせたりという事が増えているように感じる。

先日、私のお勤めする会社の製品が、ある新聞に取り上げられて、たくさんの反響がありました。新聞には問合せ先として会社の電話番号が出ていますが、実際にお求め頂く歳はすでに市場に出ているので、直接お店でお求め頂くことになります。本来であれば、新聞に「直接お店でお求めいただける。」とか出ていれば、購入したい方たちもわざわざ問い合わせをしてくるという手間が省けるわけですが、新聞には宣伝にあたるので「どこで買える」とかは出せないのだそうです。

それで、お問い合わせがあった際は、すでにお店で購入できる旨をお伝えしており、たいていの方は、「わかりました」とあっさり納得いただける。ところが、先日電話してきた60代らしい男性は「昨年もお店に行って、無かったので取り寄せてもらった。ひとことお店で買えると書いておけば、こんな電話をする手間もお金もかからないのに」とのこと。仰る事はわかるんですよ。実際、その男性の500倍くらい、問い合わせのつど説明している私が一番そう感じているのだから。新聞の事情を説明しても文句をくどくどと並べるのみ。第一、昨年お店で取り寄せたのなら同じようにすればいいでしょう、と思うのですが、そういう発想は無いらしく、一方的にこちらが悪者です。その挙句、「また、新聞が規則がどうとか言っているんだろうが、これは問題にしないといけませんな」ですと。いったい何を問題にするのやら ? そんなに大騒ぎをしなくても店で買えるんですけど、一人で大騒ぎです。その挙句、私の名前を聞いて、いったいどうしようと言うのか ? 単に電話に出ただけで、別に私の差し金で新聞に購入方法を書かないようにしているわけでもなんでもないのですが。この方は一通り文句を言った後、電話を切りましたが、果たしてお目当ての品物が買えたのでしょうか ? もう、本末転倒といいますか、何の為の問い合わせかも分からなくなっている始末。

この男性なんてまだいい方です。とんでもない女性もいて、お店に問い合わせたところ「うちではない」と断られたので電話してきて、買いたいから早く売れと大騒ぎ。物には流通経路と言うのがあって、そんなに「私は客なんだから」と大威張りされても困ることもあるわけです。その女性は「こんなに偉い私の言うことが聞けないの」というような態度で威張りちらし、仕事を増やしてくれた上、対応が気に食わないと大騒ぎ。対応は他の人が問い合わせてきた時と同じ案内なので、その女性の気に入らなかったというだけでさんざんクレームをつけられ、謝罪まで求められました。その品物、単価は1000円足らずです。本来のクレームというのは、製品に不具合があったり、事故に発展してしまったりした時に発生するものですが、そういうケースは滅多に無いでしょう。では何でこんなにクレームを付ける人がいるかというと、其の人の気分を害したというだけです。それも、他の人と同じ対応をしているにも関わらず、「こんなに偉い私の気分を害したから、謝罪しろ」というケースが大半だと思います。

いつからこんなに偉い客ばかりになってしまったのか。普通に考えたら、いちゃもんをつけているのはその「客」でしかないのに、本人はもう訳が分からなくなっているので、相手が悪い、企業が悪いという論理なのでしょう。第一、謝罪を求められても、その「客」に1億円の損失を与えてしまったとか、怪我をさせてしまったとか、そういう場合でも無い限り、謝罪なんて求めてはいけないでしょう。その「客」の気分を害したというのなら、気分はその人自身がコントロールすることなので、人に言いがかりを付けて謝罪させるなどというのは、人間として下品この上ない行いだと思います。

そして、この「客」と言う人たちの愚かさは、とりあえず、「謝罪しろ」と言われたから、謝罪しているばあいは、謝罪させられている方は、「私、何も悪くないのにな。むしろ、こっちが被害者だよ」と思っているので、口では「申し訳ございませんでした」と言っていても、それは演技です。漫才コンビの名前は分からないのですが、「謝れ ! 」と言われて、もう一人があさっての方向を向いて「どうもすいませんでした」といかにもイヤイヤ言うというのがありますが、まぁ、あんな感じですよね。「謝罪しろ」と言っている「客」は、そんな謝罪で納得するのですから、よっぽど薄っぺらい人たちなんでしょう。

昨年だったか、衣料品の量販店しまむらの店員さんに土下座をさせたという「客」がいて事件になっていましたが、しまむらで土下座をしなくてはならないような事態というのが考えられません。単価の低いお店で、いったいどのような損失をその「客」に与えたのか、想像できません。多分、対応した店員さんの物の言い方が気に食わないとか、そんなことなのだと思います。どのようなやり取りがあったのか分かりませんが、問題があるのは店員さんではなく、土下座をさせた「客」の方でしょう。

こういう「客」というのは、もはやお客様ではありませんよ。企業はとりあえず、対応に出た人間を謝らせて収集しようとしますが、私がその企業のトップだったら、そんな人は客ではないので、「もうあなたには売りません、二度と来店したり問い合わせたりしないでください」とお断りをしたいです。飲食店だと、時々、出入り禁止になっている客がいますが、企業もあまりにひどい場合には強く出てもよいのでは、と思います。一部のクレーマーを締め出したからと言って、その企業が良い製品やサービスを提供していれば、つぶれてしまうということは無いはずです。きちんとした人とクレーマーでは、幸いな事にまっとうな人の方がまだ多いはずです。

よく言われることですが、本当のクレームというのは全体の1~2割くらいで、残りはただのコンプレイン(文句)に過ぎず、本当のクレームには業務改善のヒントがあったりと会社にとってプラスになるということ。企業の苦情係りは、それが本当のクレームなのかただのコンプレインなのかをきちんと聞き分けないといけません。

クレーマーたちは、何か問題を抱えている人たちなんだろうなと思います。そのうっぷんをまったく関係ない所にぶつけて晴らそうとしているのでしょう。しかし、何か問題があるなら、その問題と向き合わない限り解決しませんし、他にうっぷんをぶつけて晴らそうとすると、回りの人たちをイヤな気分にするだけです。その人たちは人にさんざん失礼な態度をとって、自分がイヤな気分になったりしないのでしょうか ? 自分は偉いので、そんなことはないのかもしれませんね。

こういう「客」に当たってしまうと、とてもイヤな気分になりますが、自分に非が無い場合は、出会い頭の事故くらいに思っていないとやってられませんね。そして、10人に1人はヘンと思っていると、「ハイハイ、そろそろ来ると思っていたのよ」と軽く受け流せると思います。きちんとした対応はするものの、心の中で「豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ」くらいのことを思っていても罪にはなりません。

お客様対応が仕事に含まれている方は多いと思いますが、クレーマーになんて負けずに頑張りましょうね。