ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

人々の再生の物語『冬至まで』

久々にどっぷりメロドラマの世界に浸ろうとロザムンド・ピルチャーの『冬至まで』を読んでいます。

タイトルに合わせて冬至までの時期に読もうと思って。

冬至とは一年で一番夜が長い日で、この日を超えると段々と昼が長くなります。物語は最愛の人を失った人々(死別、別居、失恋)、家族の愛情に飢えた少女の5人がスコットランドの田舎町の家に集まることでそれぞれの再生を図るお話。本当の家族ではないけれど、集まった5人は楽しいクリスマス休暇を送ることになります。家族より他人の方が優しい現実。家族って、血の繋がりや婚姻関係って何だろうと考えさせられます。この物語では婚姻関係がもたらした血の繋がらない親子関係の居心地の悪さも顕著で、これも現代ならではの問題点なのかなと思います。

それでもクリスマスに向かって幸せなラストを迎えるのが、やはりこの季節の物語としては良いですね。どん底からは浮き上がるしかない、長い夜はやがて開ける。希望が見えるラストに向けて、物語が突き進んでいきます。

スコットランド、行ってみたいと思わせる美しい描写が色々。ツイード工場の立て直し計画やスコットランド人のツイード愛も語られ、それだけで別の物語になりそう。

冬至前のこの季節に読めて良かったです。

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