ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

父のはではでトランクス

昨年の初夏のある日。イメージ 1
父の入所しているホームの介護師さん ( 通称「女親分」) が言いました。「トランクスにパッドにして、しばらく様子を見てみたいんです」
 
当時、父は履くタイプの紙おむつにパッドを併用していました。しかし、夏も近くおなかと足の付け根のあたりにあせもができてしまい、「かゆいかゆい」とボリボリ掻いていたようなのです。そこで、数人いる若い男性介護師さんと女親分とで相談し、トランクスが涼しくてよいのでは、ということになったとのこと。「3枚くらい持ってきてください」
 
早速3枚ほどトランクスを差し入れました。しかも、涼しい素材がいいよね、とわざわざしじらおりのトランクスを購入。
 
ところが、次にホームを訪問した時にまたしても女親分に言われました。「トランクスを持ってきてください」
「???」
 
父の箪笥からしじらおりのトランクスを出して、「ここにありますけれど・・・」と女親分に見せたところ、「あら、やだ、お兄ちゃんたち見つけられなかったのね。ステテコと間違えちゃったんだわ」とのこと。お風呂の後の着替えを手伝ってくれる若い男性職員の意識では、まさかトランクスがしじらおりだとは思わなかったようです。まぁ、畳んであると、トランクスだとは思わないかも。
で、女親分「すみませんが、お兄ちゃんたちがトランクスだと一目でわかるようなのをお願いします」
いや~、気がつきませんでした。そうですよね、介護してくれる人にわかりやすいというのも大切なポイントかもしれません。もちろん、着用する父が、着心地がいいとか、好き、とかは大切ですが、父と一緒に悩んだり考えてくれている人たちの身にも少しはなってみることも必要でした。そういう視点が欠けていました。
 
そこで、これならば一目で誰の目にもトランクスだよね、というくらい派手なものを3枚差し入れました。成果は上々で、あせもはすっきり治った上、父はそれ以来トランクスとパッド着用で不自由していないようです。就寝時のみ履くタイプのおむつとパッドにしているとのこと。父自身もハデハデなトランクスがいたくお気に召したようです。
 
昨年の冬はおむつでお尻がモコモコだったせいか、ももひきは履いていませんでした。父が言うには、トイレに行った時に沢山履いていると、ズポンなどの上げ下げが面倒くさいので、履きたくないとのことでした。今年はしっかりももひきを履かせてもらっていて、人一倍寒がりの父も温かそうでした。これもトランクス効果ですね。トランクスだとお尻のモコモコがないので、すっきりとももひきが履けるというわけです。
 
父の最初のトランクスを買いに行った時、一緒に行った妹が言うには、「下着メーカーは体にぴったりする下着ばかり作っているのではないか。パンツのお尻もすっきりしているものばかりだ。おむつの人のことは考えていないのではないか」
なるほど、そうかも。もしかしたら、介護用品コーナーにお尻もこもこの人用のももひきとかパンツとか、あるのかも知れませんね。
どっちにしろ、これからは更にお年寄りも増えるのだし、下着メーカーさんの新たな分野になるかもしれませんね。
 
さて、つい最近、ホームを訪れた時に女親分が言いました。「一枚ウエストの所が破れてしまいました。代わりを持ってきてください」
 
と、言うことでまたしても紳士下着売り場へ飛んでいって、ハデハデなトランクスを4枚購入。差し入れました。当面、不自由はないはずです。そして、今年もだんだん暖かくなってきました。今年はしじらおりトランクスも使って欲しいな、と密かに思っています。