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ボリス・ベレゾフスキー ピアノ・リサイタル in 東京オペラシティー

本日、初台の東京オペラシティ・コンサートホールへボリス・ベレゾフスイメージ 1
キーのピアノ・リサイタルへ行ってきました。実は、3日に行ったNHK
楽祭の入り口でもらったチラシで知って、大急ぎでチケットを取りました。こんなに間際なのに、チケットがとれて良かったのですが、行ってみたら当日券も出ていて、割と空席がありました。
 
でも、演奏はバッチリでした。
 
ベレゾフスキーって日本での知名度が低いのでしょうか? いいピアニストなんですけどね。
 
オペラシティが出来てから、ずいぶんたつのに今まで何故か縁が無く、
今回初めてのオペラシティー・コンサートホールだったのですが、このイメージ 2
ホールは前方のステージ、その前の客席のまわりをぐるっと2階席・3階席が取り囲んでいるのです。ステージ後ろには2階席が1列あります。私が取れたのは3階でホール左側のバルコニーと言うのでしょうか、1段目でした。あらっ、と最初思ったものの、そこからだと弾いている手が良く見えるので、むしろ良かったかも。このピアニストの場合、技巧派なので、客席は左半分から埋まっていました。対面の右側バルコニーはがらがらなのに、私のいた左側はぎっしり埋まっていました。もちろん1階も左が混んでいました。
 
さて、演目ですが、
  メトネル  「おとぎ話」より6曲
  ラフマニノフ 「前奏曲集 op.23」 10曲
  リスト   「超絶技巧練習曲集 S.139」 12曲
 
メトネルという作曲家は知らなくて、実は今回初めて聴きましたが、よいですね。ベレゾフスキーをはじめとする数人のピアニストが積極的に演奏することで、近年評価が高まっている作曲家だそうです。
ラフマニノフ、私はあまり聴いたことが無いのですが、新しい世界に連れて行ってくれました。
 
そして、何と言ってもリストの「超絶技巧練習曲集」 ! もう、圧巻でした。本当に素晴らしい。いったいどうやって弾いているのだろうとピアノの鍵盤の上を走る指先に目を凝らすのですが、まるで鍵盤をなでているように見えるのに、そこからは重厚な音があふれ出てくるのです。うまい、なんてもんじゃない。魔法です。魔術です。
 
「ピアノは一台でオーケストラ」とよく言いますが、たった2本の手、10本の指が奏でているとは思えないほど色々な音が響き合っていきます。時に激しく時にやさしく、彼の手の下でピアノは思い通りの音を響かせ、世界を構築していきます。
 
腕のいい演奏家にかかると、その楽器はもはやその楽器であることを超越してしまうものだと思います。例えば、ジェイク・シマブクロウクレレ、腕のいいギタリストが弾くギターとか。それと同じようにベレゾフスキーの弾くピアノはもはやピアノという楽器の枠を超えてしまっていると思います。そのくらい、圧倒的にピアノの能力をぎりぎりまで引き出している演奏。
 
客席は大入り満員ではありませんでしたが、毎回割れんばかりの拍手。最後には「ブラボー」と叫ぶ人も。同じ会場にいる観客は、いいものを聴く耳を持った人たち、ということで、きっと皆よい時間を過ごしたことと思います。
 
アンコールはガーシュウィンの「3つの前奏曲」とモートン・グールドの「ブギウギ」でした。曲調が、リサイタルの演目とガラッと違って、こういうのもいけるのね、という感じです。もっとも、彼にかかればどんな曲でもいけるんでしょうけれどね。
 イメージ 3
ロビーでCDの販売があり、サイン会もありました。すごい行列なので、写真だけ撮らせてもらって会場を後にしました。CDは持っているし、私はサインとか、あまり興味がないので、ま、いっか、と思ってしまうのです。 
 
NHK音楽祭では、どちらかというとオーケストラがメインみたいだったので、出演が少なくてちょっと残念だったのですが、今回は100%ベレゾフスキーだったので、とても満足いたしました。いいリサイタルでした。そして、次に彼のリサイタルに行った時には日本のお客さんも大入り満員になっていることを願います。 
 
 
上からオペラシティー・コンサートホール。
  オペラシティーのオブジェ。口が動いて歌っています。
  サイン会のボリス・ベレゾフスキー氏。