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蔦重の仕事振り

サントリー美術館に「歌麿写楽の仕掛け人 その名は蔦谷重三郎」を見に行ってきました。
 
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江戸時代の出版プロデューサーのみならず、時代の流行までプロデュースした感があります。
今まで、こういう蔦谷重三郎の存在というのは知らなかったのですが、今回その仕事振りを見る機会を得て、なんと粋でおしゃれでやり手な人だろうと驚きました。
 
「蔦重」と呼ばれていたなんて、なんとも粋ですよね。
蔦重は版元、今で言う出版社ですね。吉原生まれの吉原育ち。最初は吉原のガイドブックを作ってヒット。遊女の宣伝も請け負ったりして、吉原の年中行事を知らせるイベント・ガイドを作ったりと、十分地元に貢献。歌麿写楽を売り出し、役者の大首絵や美人画の大首絵なども発行。狂歌本も多数発行し、庶民の嗜好にそうような読み物を多々出版。後年、庶民の教育熱が高まると、学習用の本も発行。とにかく機を見るに敏な商売人。人と時期を見る才に恵まれている。その活動期間わずか9ヶ月と言われる謎の絵師、東洲斎写楽も蔦重がプロデュース。
 
展示会ではガラス・ケースに入れられた本の数々と歌麿写楽の浮世絵など、また同時期の絵師の作品、狂歌の本など盛りだくさん。じっくり見ていると時間がかなりかかる。しかも本なので、ガラス・ケースに入れられていて、その前を人がズラッと行列して移動していくので、パッパと見られないので、どうしても時間がかかるのがネック。日本の文化の展示でいつも感じるのが、この展示方法はどうにかならないのか、と言うこと。
 
とにかく見ごたえがあります。江戸時代の庶民文化の成熟度合いを見せてくれます。そして、蔦重の人となりも描かれて、充実した展覧会になっています。きもので行くと割引があるので、きもの姿の方もチラホラ。こういう演出もよいですよね。
暮れのひと時、江戸に遊んだ心地でした。