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甘い生活を目指しています。

映画「最強のふたり」で笑って泣いて癒される

先日、「最強のふたり」というフランス映画を見てきました。
この映画は確か先に開催されたフランス映画歳で選考上映された作品だったと記憶しています。
 
●あらすじイメージ 1
パラグライダーの事故で頚椎損傷し首から下が動かず車椅子で生活する富豪のフィリップの介護人としてやってきた、前科ありスラム出身の黒人の青年ドリス。マイペースで、フィリップのことも特別扱いしないドリス。最初はフィリップの周りの人々も戸惑いを隠せなかったが、底抜けに明るく、いつしか自らフィリップの介護に張り切るドリスに周りの目も変化していく。それまで重度の障害者として扱われていたフィリップにドリスは普通に生きる楽しみをもたらす。やがて強く心が結ばれた二人は、お互いにとってなくてはならない存在となっていく。
 
 
 
 
すご~くいい映画を見ました。心がポッと温かくなるような映画です。
 
最強のふたり」ってタイトルにいったい何が最強なのか ? と思っていましたが、見終わってみる、となるほど「最強」なのでした。最強とは人を信じる心、信頼する心、転じて立場や状況を超えた友情を得たふたりのこと。これはまさに最強です。
 
ドリスが介護人としてやって来た時、すぐに辞めるとフィリップは踏んでいたことでしょう。しかし、面接の際に「雇わなくていいから、雇用保険を受けられるように就職活動をした証の書類にサインをくれ」と言ったドリスに、今までの介護人とは違うかも・・・と一縷の望みを抱いての採用だったのでは、と思います。
 
そして、富豪で重度の身体障害者として扱われてきたフィリップを、そんなことお構いなしに普通に扱ってくれるドリスはフィリップの希望を叶える存在で、そこを超えて生きる喜びまでもたらしてくれます。「普通」に生きるって実はとても大変なことだったんだ、と何処も悪いところ無く生活していると、ちょっと驚きます。確かに風邪ひいただけでも、生活の質はちょっと落ちますものね。それが、首から下は動かないなんて、とても大変な事態です。
 
一方のドリスも、多分人生で初めてきちんとした生活を送ることになったのだと思います。富豪の家庭に住み込みなので、与えられた部屋をとっても、今までの彼の人生では想像すらできないほど贅沢なものでしょう。ひとりでゆっくり寝られる大きなベッド、ひとりでゆっくり入れるバスタブ。大きなバス・タブが置かれたバス・ルームはドリスの母と多くの兄弟が暮らすアパートのキッチンくらいの広さがあります。
 
ドリスにとって普通のことでも、フィリップや周りの人にとってはありえないことが多く、それをフィリップは楽しく一緒に体験していくのですが、もし、フィリップが健康体でもきっと経験しないようなこともあったはずです。富豪であったり、きちんとした育ちだったりして経験していないことってあるはず。でも、もしかしたら、やってみたいと思っていたかもしれないことも。そういう時、フィリップは本当に幸せそうな顔をするのです。
 
絵面で見ると一方的にドリスがフィリップの面倒をみているように見えるかもしれませんが、ドリスはフィリップの世話をすることで、自分自身の誇りや自信も取り戻していったと思います。新たな才能も発見され、それがお金に変換されることにもなります。だからこそ、この二人は最強なのです。
 
単なる介護ドラマではなく、癒しているのは介護される方と介護する方両方の魂なのです。
 
このお話は現実のお話だそうで、タイトル・ロールに実在の二人が出てきます。お神酒徳利のようにぴたりと寄り添っている二人の姿に、本当に最強だなと感じます。
 
最強で最高の映画でした。多くの人に是非見ていただきたいです。ハリウッドで早速リメイクするそうですよ。