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甘い生活を目指しています。

Bruegel の2人の息子の作品

さて、ブリューゲルの展示室には長男ピーテル・ブリューゲル ( 「地獄のブリューゲル」) と、次男ヤン・ブリューゲル ( 「花のブリューゲル」「ビロードのブリューゲル」 ) の作品も展示されていました。
ブリューゲル兄弟はパパの模写が多く、一見すると誰の作品か判らないものが多いです。
ヤンは兄ピーテルに比べると、よりオリジナリティを発揮しているように見えます。
兄ピーテルの模写も、よく見ると微妙に違っていたりするようです。
 
ちなみに、ブリューゲルを名乗る画家一家で、パパだけは 「 Bruegel 」 とつづるそうです。本来は 「 Brueghel 」のところ、みずから 「 h 」 を除いて名乗っていたようです。
 
 
●Winter Landscape with a Bird-Trap  ( 「鳥罠のある冬景色」 )
 
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ピーテル・ブリューゲルのオリジナルはベルギーにあります。
息子のピーテルはこの絵を何枚も描いているのでしょうか ? なんと、上野の国立西洋美術館にもあります。
それにしても、美しい冬景色です。「雪中の狩人」の右半分の風景と連動しているような風景です。
 
 
●The Adoration of the Kings ( 「東方三賢王の礼拝」 )
 
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これは次男ヤンの作品。
ブリューゲル父は「東方三賢王の礼拝」を2枚描いているらしいのです。一枚はテンペラ画で厩の裏手に象やラクダが描かれているらしい。もう一枚は背景がまったくないバージョンで、ロンドンにあります。そちらはマリアがブルーのマントのような衣を頭からかぶっています。
 
この絵も美しいですね。
厩のボロボロさが趣があります。マリアは若々しく、かわいい感じです。
ボロ小屋の周りがにぎわっていますね。
 
 
 
 
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ブリューゲル展示室のまとめ
 
長々とブリューゲルの展示室を振り返ってきましたが、見れば見るほど面白いのがブリューゲルだなと、つくづく思います。
ブリューゲル作品のコレクションは「美術史美術館」が本家ベルギーより多いのですが、ウィーンのコレクションは比較的万人受けするものと思われます。風景画、農民の生活を描いたシリーズ、聖書を基にしたもの ( でも普通の宗教画のように見ていて疲れないのがブリューゲル風 ) 、寓意画といったところでしょうか。有名な作品も何枚もあり、充実しています。万人が安心して見られる、と言ったところでしょうか。満足感があります。
 
さて、ブリューゲルと言えば、ウィーンに展示されている比較的おとなし目の絵の他に、ヒエロニムス・ボッシュの系譜に連なるような幻想的で刺激的な作品も有名。そちらは主にベルギーにあるようです。そちらも楽しみですね。
 
美術史美術館の展示室は大きめの展示室には真ん中にソファが置かれ、ゆったりと座って絵が見られます。そして、なんと言っても「常設展示」なんです。それなので、日本で特別展にあるような、四角い絵が四角く見えないという状況はありません。心行くまで、いくらでもブリューゲルの世界に浸れます。もう、極楽 !
 
とても充実した時間をすごせました。