ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

本の虫

皆川博子 最新作 『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』を読む

皆川博子さんの最新作『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』をお盆前に読みました。『開かせていただき光栄です』『アルモニカ・ディアボリカ』のエドワード・ターナー3部作の最終巻。 今回は独立戦争中のアメリカが舞台。モホークとコロニストの間に生…

ミス・リードとロザムンド・ピルチャーを読む試み

7月はミス・リードとロザムンド・ピルチャーを読むぞ!と決めて過ごした7月。 実際にはミス・リードの「フェアウエーカー・クロニクル」の初期3部作である「村の学校」「村の日記」「村のあらし」を読了。スタートの「村の学校」がいつも行っている図書館に…

ミス・リードの描くフェアエーカーに遊ぶ

今年の7月はミス・リードとロザムンド・ピルチャーを読もうと月初に思い立ちました。 川口市立図書館に行く都度、何年も前から必ず目の端に入ってきて、いつかは読もうと思いながら幾星霜。 何をそんなに戸惑っていたかと言うと、ミス・リードのフェアエーカ…

服部まゆみ 著 『1888 切り裂きジャック』の世界に耽溺する

ここ一週間、服部まゆみ 著 「1888 切り裂きジャック」という小説に夢中になっていました。本編が769ページもある重量感。ミステリですが、ヴィクトリア朝のイギリス、ロンドンの街並み、習慣、流行、庶民の生活、紳士達の様子、学問や学者、社会情勢につい…

三浦春馬 『日本製』を読む

2週間前の6月5日に図書館に行った際に見かけた手に取ったのが、昨年30歳で亡くなった俳優の三浦春馬さんの『日本製』という本です。 あれっ、こんなの出ているんだ、と特に三浦春馬さんのファンと言うわけではないものの、気軽に読み始めました。 これは4年…

江戸時代の中年女性の旅もの「ぬけまいる」

昨年の正月休みに読もうとして図書館で借りた本が8冊あります。昨年は新型コロナウィルスの影響で、図書館が閉まったりして、正月に読み切れなかった本がなかなか借りられずに、読み終わるまでに時間がかかりました。それでも昨年中に7冊はきちんと読了。1冊…

年末年始のお供たち

川口市立図書館に本を借りに行きました。今読んでいる本の延長もしたくて。 今、ディケンズの「デイビッド・コパフィールド」を読んでいて、4巻あるうちの3巻目です。この長期の年末年始休暇に読了したいのです。 なので、3巻と4巻、ぼーっとする為に桜の本…

ディケンズの「大いなる遺産」

今日は久々に雨が降っていない土曜日。 おお!曇りだけど、なんとも嬉しい。 とにかく洗濯です。衣替えに備えて夏物も洗わないと。日常の洗濯物に加えて、春夏のジャケットも洗いました。 家事をしつつもうすぐ読み終わるディケンズの「大いなる遺産」を綿々…

読みたい!読みたい‼︎

先週あたりから、なんだか時の経つのが早いように感じます。別に充実していると言うわけでもないのです。 天気予報では、今週はなんだかずっと雨降りらしく、どんよりしています。でも、不思議と曇りになったり晴れ間が見えたり、最近の天気予報はあまり当た…

図書館の有り難み

やっと読み終わった本を返しに川口市立図書館に行きました。 図書館業務は復活していますが、閲覧席が制限されているようで、1つのテーブルに1人だけ座っている光景を目にしました。雑誌コーナーのテーブル席は1テーブルに8席か10席くらいあったと記憶してい…

「怒りの葡萄」読了、なぜか現代日本とリンクする物語

このところずっと読んでいたスタインベックの「怒りの葡萄」上下巻を遂に読了。 初めの方は物語の展開がゆっくりで、果たしてこの土地を追われた小作農の家族は、夢の土地と喧伝されるカリフォルニアに辿り着けるのか、とヤキモキしていましたが、途中からは…

読むもの不足

通勤途中に読む本がありません。今、上巻を読み終わって下巻に行きたいのに、下巻が手元にありません。 図書館がお休みです。2つの図書館を利用しているのですが、どちらもお休み。これは困ります。 長い正月休みに読もうと思っていた本で「ウルフ・ホール」…

今のご時世に思い出した児童書「ぴかぴかのギロチョン」

小学生の頃、多分3年生か4年生か、読んだ本の事を、最近のコロナウィルス騒動で思い出しました。 それは「ぴかぴかのギロチョン」というタイトルの児童書でした。タイトルが思いっきり物騒なので、今でもよく覚えています。 ある日町が封鎖されます。あちこ…

文学講座「シャーロック・ホームズの魅力とその愉しみ方」

昨日、蕨市立図書館のイベント「シャーロック・ホームズの魅力とその愉しみ方」に参加して来ました。 今年は作者のコナン・ドイル没後90年なのだとか。講師はホームズ、ドイル研究家の新井 清司 氏です。新井 氏は日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイ…

胡瓜サンド

今日は会社で胡瓜を頂きました。 農業資材の担当者が、担当している農家さんから1箱頂いたそうで、社員にお裾分けです。 新鮮な胡瓜、単純に嬉しいです。胡瓜サンドを作っちゃおうかな。ちょっと早いかな。 私はなぜか毎年、3月下旬頃に胡瓜サンドが食べたく…

あったかホカホカ

【冬休み2/9日目】 早くもお休みは2日目。でも、今日は日曜日なので、まだ長いお休みに突入した感はありません。 今日はやっちまいました。朝、目覚めたらなんと10:30! あれ、あれ、7:00に目覚ましをかけたはず。止めたのは覚えているのに、次に目覚めたの…

長い冬休みのお供

【冬休み1/9日目】 今年は9連休。旅行に行くのもいいな、と思いつつ、混みそうな所とこの機に乗じて値段が高くなっていることはパス。今年はお正月もしないしね。 と言うことで、じっくり本でも読んで過ごそうと、2つの図書館からお休みに読む用の本を借りて…

【2017年読書記録 10~12月】

【2017年読書記録 10~12月】 八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)の感想 民放とNHKと、どちらもいいドラマでついに原作を手に取った。本当にいい話。人情にほっこりとする。ひたむきでやさしくて働き者の澪が、料理に関しては愛染…

【2017年読書記録 7~9月】

【2017年読書記録 7~9月】 読了日:06月19日 著者:近藤麻理恵精霊たちの家の感想 昔映画で見たが、原作はさらに面白かった。チリの裕福な家庭の女三代記でありつつ、それを貫く強烈な夫・父・祖父であるエステーバンの物語。割と淡々と進んでいくが、そこ…

【2017年読書記録 4~6月】

【2017年読書記録 4~6月】 細雪 (中) (角川文庫)の感想 中巻は自然災害や姉妹の東京訪問、病気や死、隣家の引越しなど、活動的な末娘妙子を中心に怒涛の展開。外国人の知人たちが日本を去ったりして、軍靴の音が少しずつ大きくなって来た。妙子の恋愛問題や…

【2017年読書記録 1~3月】

【2017年読書記録 1~3月】 松林図屏風の感想 「この世にあらざる絵」をキーワードに、ただ求められる絵を書く絵師から、己の全てを掛ける絵師へと昇華していく話。タイトルと、内容が違う気がする。己よりも才能があるとすら言われた愛息の久蔵が若くして急…

読書記録2016 4 (10月~12月)

【2016年読書記録 10月~12月】 利休の闇の感想 この著者は初読み。文章が読みやすく、どんどん読める。利休と秀吉の関係を茶湯を通して展開していくが、ちょっと物足りない。利休の闇の部分にのみ焦点を当てた作品で、光の部分があまり描かれないので、こ…

読書記録2016 3 (7月~9月)

【2016年読書記録 7月~9月】 眩の感想 葛飾北斎の娘で、「江戸のレンブラント」と呼ばれる女絵師、應為(お栄)の半生が描かれる。父であり師匠である北斎の工房で働き、仕事でも衣食住でも父を助けて更に自身も絵師として腕を磨く日々。絵の出来が悪いと嘆く…

読書記録2016 2 (4月~6月)

【2016読書記録 4月~6月】 悪霊島(上) (角川文庫)の感想 事件は起きているものの、何と無くまだ起きていない様に感じられるゆっくりペース。「鵺の鳴く夜は恐ろしい」と言う、キャッチコピーが素晴らしいが、まだ事件の材料集めの様な前半。金田一耕助は今…

読書記録2016 1 (1月~3月)

【2016読書記録 1月~3月】 等伯 〈上〉の感想 長谷川等伯がまだ等伯になる前のお話が前編。等伯が武家の出であり、しかも信長とは反対陣営であり、養子に出ているにも関わらずいつまでも生家の影が付きまとい、思う様に京に出るのにも四苦八苦。稀なる才能…

「黒死館殺人事件」 とてもヘン、ペダンチックな法水ワールドにようこそ

日本の推理小説には「三大奇書」というのがありまして、奇抜な、幻惑的なというニュアンスを有する作品のようです。「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」「虚無への供物」の3作品です。気になったので、最近ぼちぼち読んでいまして、先日「ドグラ・マグラ」…

「ドグラ・マグラ」 脳髄地獄で身悶える楽しみ

えぇと、ついに読んでしまいました。「これを読む者は一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書」と言われている夢野久作の小説「ドグラ・マグラ」です。 「読む者は一度は精神に異常をきたす」とは、なんともおどろおどろしいキャッチ・コピーだな、…

メルヴィル「白鯨」を読了

遂にメルヴィルの「白鯨」を読了。各社から翻訳が出ていますが、私が読んでいたのは、岩波文庫のもので、八木敏雄さんの訳です。 岩波文庫版の「白鯨」は、上・中・下の3冊本で、上・中巻は約460ページ、下巻は410ページあります。 通常、私は2、3冊同時並行…

生きる喜び バーネット著「秘密の花園」

この度、児童文学として有名なバーネットの「秘密の花園」を読む機会があった。正直言って、これほど面白く、これほど感動的な物語世界が展開されているとは思っておらず、驚いている。 今回私が読んだのは、大人が読むことを見据えて訳されたものであるらし…

現代の万能感 小説「紙の月」

テレビドラマで見て、良かったので原作を読みました。数年前、角田光代さんの作品は、まとめて数冊読んだことがあるものの、この作品が一番良かった。 あらすじ 結婚して数年しても子供が出来なかった梨花は、銀行にパートに出る。営業として高額預金者の自…